JA全中の山野徹会長は5日午後、定例会見を開いた。5月の同会見で、高騰するコメ価格をめぐり「けして高いとは思っておりません」と述べた真意をあらためて問われると、「消費者のみなさまが購入されるコメの販売価格の高騰を望んでいるわけではない」などと答えた。

前回の山野氏の会見は、江藤拓前農相の失言で小泉進次郎農相が就任する前の5月13日に行われた。この時「(一般競争入札による)備蓄米が出回りつつあり、店頭の小売価格の上がり幅は『縮小傾向』から『下落した』という発表もある」とした上で、備蓄米流通の効果も出ているとして「(現状のコメ価格が)けして高いとは思っておりません」と述べ、一般的な消費者の認識とのズレが大きな波紋を広げていた。

この日の会見で、山野氏には、先月の「高くない」発言の説明や、進次郎氏の判断による随意契約による備蓄米の流通への見解などの質問が出た。山野氏は「令和6年米の小売価格は従来に比べかなり高い水準となっているのは十分承知している」とした上で「長年、生産コストをまかなえないような極めて低い水準(の価格)にあったということは、生産者の立場からお伝えしたくてあのような言い方をした」と説明。その上で「消費者と生産者双方にとって納得できる価格のもと、持続可能な食料生産を行い、消費者のみなさまにコメを安定的に供給していくことが、何より重要なこと考えています」と述べた。

また、「生産者やJAは、多くの消費者のみなさまに国産のコメをおいしく召し上がっていただきたいと考えている。消費者のみなさまが購入される販売価格の高騰を望んでいるわけでは、ありません」と強調。一方で「必要な肥料や燃料、資材の価格が高止まりし、コストの増加分を販売価格に反映しないと持続可能な生産は実現できないという不安の声は、全国の生産者から届いている」と訴えた。

随意契約による備蓄米放出については「消費者のコメ離れを防ぐという趣旨のもと、政府による新たな判断と認識している。JAグループとしても、現在の小売価格による消費者のコメ離れを非常に憂慮しており、消費者が安心して購入できる環境を、早急に構築していくことが必要と考えている」と述べた。進次郎氏の農相就任への受け止めは、明確に回答しなかった。

山野氏は「コメをめぐっては、価格や備蓄米の流通に関心が高い状況にある。JAグループとしては、コメ価格高騰で国産米の消費減退や、消費者のコメ離れにつながることを何より懸念している。みなさまが安心して購入できる工夫や環境をまずは早急に構築していく必要がある」とした上で、JAが関わる備蓄米放出について「1日でも早く消費者のみなさまにお届けできるよう、輸送拡大や出荷の前倒しに取り組んでいる。引き続きスピード感をもって、最大限の努力をしていきたい」と訴えた。