将棋界のトップ棋士12人が公開対局で全国を転戦する勝ち抜き戦「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦(JT杯)」の2回戦第1局、藤井聡太7冠(23)対佐々木勇気八段(31)戦が9日、静岡市「ツインメッセ静岡」で行われた。持ち時間各10分の早指し対局は、小さい頃から得意としていた右四間飛車を採用した先手の佐々木に対し、後手の藤井が雁木(がんぎ)で応戦。強烈な寄せを発揮して106手で押し切った。藤井は初出場の2019年こそ初戦で敗退しているが、初めてタイトルを獲得した20年から6年連続で初戦を突破した。

藤井が鮮やかに主導権を握った。76手目の後手6四桂。先手9一馬と香を取った馬を止め、佐々木の攻めをいなした後に後手7六桂と飛び出す。カウンターがきれいに決まり、最後は切れ味鋭い寄せを発揮した。「かなり攻め込まれる展開になって少し苦しいような感じでしたが、後手7六桂の形で攻めることができて好転したかと思いました」。

静岡県ではタイトル戦8戦8勝と相性がいいが、JT杯で当地を訪れるのは初めて。10月から始まる竜王戦7番勝負に、昨年に続いて挑戦する佐々木をしっかり討ち取った。竜王戦前哨戦を制し、4年連続でのベスト4進出を決めた。

準決勝(10月12日、名古屋市「ポートメッセなごや」)では、来週行われる2回戦の渡辺明JT杯覇者対山崎隆之九段の勝者と激突する。22、23年と連覇しているJT杯で、2年ぶり3度目の優勝に向けて好スタートを切った。