昨年6月の東京都議選で初当選した佐藤沙織里・前都議の辞職に伴う東京・千代田区選挙区(被選挙数1)の都議補選は1日、投開票され、無所属新人で自民党の千代田区議を務めた林則行氏(53)が、7人の候補者をやぶり初当選を果たした。
林氏は昨年の都議選に自民から立候補し、佐藤氏に敗れた。今回は、自民党内で候補者の支援体制をめぐって一本化が実現できず、林氏は地元組織からの公認申請が党本部に受け入れられなかったことから、無所属での立候補に。自民内の一部の支援を受けた選挙戦となったが、与謝野馨・元官房長官の秘書をへて2003年の同区議選で初当選以来、6期22年務めた区議として地元に密着してきた経験を踏まえ、「千代田区と都政・国政をつなぐ、つなげる」と訴え支持を広げた。
一方、2017年、2021年の都議選で獲得し、前回佐藤氏に奪われた議席の「奪還」を目指した知事与党の都民ファーストの会は、公明党とともに推薦した無所属新人で弁護士の永戸考氏(40)が、林氏に700票あまりの差をつけられ、千代田区での議席「リベンジ」はならなかった。
同選挙区は昨年の都議選で、無所属で立候補した佐藤氏が、都民ファの現職や林氏など既成政党の候補らを破って初当選し、注目を集めた。今回は佐藤氏の突然の辞職に伴う、超・短期決戦となった。
小池百合子都知事は、知事与党の一角でもある都民ファ推薦の永戸氏への応援を、選挙期間中、ほぼ連日にわたって展開する異例の支援体制をとった。告示日には公明党の岡本三成代表や自民党の野田聖子衆院議員が応援に入り、事実上の自主投票となった自民の一部も支援に回ったが届かなかった。永戸氏は1日深夜、都内で報道陣の取材に応じ、「短期間の中でできるだけ自分の政策をアピールしてきたが、みなさんの元に思いが伝わりきらなかった。準備不足というか、まだまだやれるところがあったのかなと思う」と敗戦の弁を口にした。
今回の選挙戦は、来年の統一地方選に向けた「前哨戦」として、各党の今の「勢い」をはかる位置づけの選挙としても注目された。昨年の都議選で初めて3議席を獲得した参政党は、擁立した新人の竹本遥氏(32=元銀行員)が、林氏、永戸氏に続く三番手に食い込んだ。神谷宗幣代表ら党幹部が何度も応援に入るなど党を挙げた支援体制を取り、敗れたものの推薦候補が次点に入った先月18日の横浜市長選に続いて、党として地方選での存在感を示した。
立憲民主党の浜森香織氏(48=元千代田区議)、日本維新の会の平出碧氏(27=大学院生)、共産党の木村正明氏(71=元千代田区議)、無所属の浦川祐輔氏(33=弁護士)、無所属の伊藤あゆみ氏(55=会社員)の新人5人も、議席に届かなかった。
投票率は35・95%で、昨年の都議選(48・86%)を大きく下回った。

