エフフォーリア、ヴェラアズール、デアリングタクトなど、名だたるG1馬に出資してきたKAZFORIA氏が、出資馬を選択する上での着眼点を解説します。(毎週火曜日、木曜日更新予定)

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母系は母の母、その母と言った形で、血統表の一番下のラインに書かれている。

ドゥーラの血統表。母はイシス、祖母はアラマサスナイパー。
ドゥーラの血統表。母はイシス、祖母はアラマサスナイパー。

募集馬カタログには、大抵血統表の右に「母系」や「FAMILY」として、母、祖母、曽祖母等の名前と成績の記載があり、各名前の下には、その子供たちの名前と出走したレースの着順等の成績の記載がある(着順の記載がないのは勝ったレース)。

母の下に書かれている馬が募集馬の兄姉で、母と兄姉の成績がいい馬ほど良血とされる。また、太字の馬は重賞勝ち馬なので、太字の馬が多いほど母系も良いとされる。人気の種牡馬であれば年間200頭以上種付けするが、活躍するのはその一握りだし、母系にしか引き継がれない遺伝子もあるので、馬選びには種牡馬だけでなく母方の血である母系の重要性も高い。

血統的な理想は種牡馬が良く母系もいい馬だが、このような馬は代金が相当高額になりがちで人気も高い。出資には十分な資金が必要だし、高倍率の抽選を突破しない限り出資する事が難しい。

逆に母系が良くなければ代金が低額になるというメリットはあるが、種牡馬がどんなに良くても母系が良くない馬も、なかなか活躍できない。そこで今は母系に、「母、兄姉か祖母にJRAか海外のレースで3勝以上した馬か、重賞勝ち馬がいる」という最低限の条件を設けている。ここが2勝以下だと、活躍する馬もいるが、経験上活躍できない確率の方が高いと思う。

そして、上記代金条件も考え、母系は最低条件を満たすが、あまり良すぎない馬中心の馬選びをしている。こうした馬であれば、活躍する可能性もあるうえ、抽選倍率も低めで、出資できる可能性が高い。エフフォーリアは母と祖母が3勝しているが重賞勝ちはなく、兄姉も地方競馬入着止まりのレベルだったので、最優先かつ、無抽選で出資できたのかもしれない。

皐月賞を制したエフフォーリア。
皐月賞を制したエフフォーリア。

なお(公)と記載があるのは、大井や川崎その他地方競馬での戦績であり、JRAで勝てない馬が地方に行くことが多いなど、JRAと地方のレースレベルにはかなりの格差があるので、地方の戦績は除外して考えている。

また、体質が弱い兄姉が複数いる馬も敬遠するようにしている。

さらに、4歳以上の兄姉3頭以上がJRAか海外のレースで未勝利か1勝止まりの馬もリスクが大きいと考えている。