皆様いかがお過ごしでしょうか。今回は前回のコラムで少しふれた「小倉珍道中」を書きたいと思います。

時は8月下旬。「小倉を楽しむ再会ツアー」を計画していました。相方さんはお仕事なので金曜日に出発。私たちとは翌日お仕事後に合流する予定でした。出発当日いろいろアクシデントがあって出発予定時刻より早い新幹線に乗り換えるという事になり、まずチケットの取り直しをしなければいけませんでした。函館旅行もできたし、産駒との2人移動でも大丈夫という自信があったのですが、それは大きな間違いだと気づいたのがこの時でした。

京都駅まで移動してみどりの窓口に行くと混んでいるかもしれないと思い、産駒を連れて最寄り駅の窓口へ向かいました。すると12時終了と書いているではありませんか。時計を見ると12時3分。結局山科駅まで移動する事にしました。いざ山科駅の窓口に着くと長蛇の列。夏休み期間と土曜日という事も重なり30分程待ったでしょうか。その間、産駒は飽きてしまいイヤイヤモード。何とかごまかしながら順番が来るのを待っていました。

やっと順番が回ってきて変更完了(実はこのチケット変更でもいろいろアクシデントがあったのですが、割愛します)。京都駅に到着した時には、体力が半分以下になっていました(笑い)。「とりあえず新幹線さえ乗れれば」と思いましたが、乗る前に産駒のお手洗いと昼食を買うというミッションが残されていた私は大きなスーツケースと産駒を抱えて新幹線乗り場に急ぎました。この時点で出発時間まであと20分。慌てすぎて、産駒が転んだところを見知らぬご婦人に助けていただきつつ、乗り場に到着したのは出発時間3分前でした。

何とか乗り込みホッとしながら買ったおにぎりを食べ、子育てするには大人の手が多いほどええな、なんてことを考えていました。幸い産駒もバタバタに疲れたようで食べたら眠ってしまい、私もウトウトしつつも小倉に到着。改札を出ると仕事を終えた相方さんが立っていました。その姿を見て、一気に肩の力が抜けたのがわかりました(笑い)。

その日泊まる門司港はレトロな街並みと、関門海峡が見えてとてもすてきだったので、夜ご飯を食べにお散歩しながらお宿近くのお店へ。実は新幹線に乗っている時、先輩女性助手さんに連絡すると小倉に滞在してはるというので、もう1人の先輩女性厩務員さんもお誘いしてお食事に行くことになりました。女性助手さんとは2年ぶり、女性厩務員さんとは7年ぶりに再会できて楽しい夜になりました。今のトレセンのお話を聞き「また栗東で」と約束をして1日目は終了。

2日目は朝6時に起床して門司港周辺のお散歩をして朝食。そして支度をして今回の旅の目的のひとつである小倉競馬場へ。

席を取っていただいたのですが、ほぼ座ることなく、抽選で当たったポニーの体験乗馬に行ったり、UMAJO SPOTに行ってみたり、パドックに行ったり。しかしながら産駒が一番楽しんだのはターフィーショップの前にあるファンファーレガチャでした。当たったG1ファンファーレを鳴らしながら競馬場の真ん中で踊る産駒を見ると、やはりわが子だなと思いました(笑い)。

そんな小倉競馬場では相方さんをウイナーズサークルで見ることもできて大満足。そして相方さんのお仕事が終わるのを待って、この日のお宿のある原鶴温泉へと向かいました。小倉からレンタカーで約1時間半。合間に前が見えなくなるほどの豪雨に見舞われながら何とか到着しました。お部屋に着くと雨はやみ、目の前に広がる筑後川と夕日を眺めながら温泉に入り、豪華なお食事をいただきながら家族で勝ち祝いをしました。

ぜいたくな2日目を過ごし、この旅一番の目的である再会を果たす3日目を迎えました。10時前にお宿を出て1時間ほど車で走ったでしょうか。福岡市にある福岡馬事公苑に到着しました。

実はこの馬事公苑に相方さんが担当させていただいていた菊花賞馬・アサクサキングス号が繋養(けいよう)されているという事で訪問させていただいたのでした。相方さんは2年ぶり、私は6年ぶりの再会でした。福岡馬事公苑の吉田さんが「なかなか気の強いところがある」とおっしゃると相方さんも「そこは昔から変わらない」と目を細めつつ「相変わらずいい顔しているし、キングスはカメラを向けるとビシッとポーズを決めるねん」とうれしそうに語っていました。

今は子供たちと競技に出たりしているというお話を伺いながらニンジンをあげさせてもらっていると、吉田さんから「せっかくなのでお子様、乗ってみませんか?」と言っていただき、お言葉に甘えて乗せていただきました。

産駒は競馬場のポニー乗馬は体験したことはあってもサラブレッドは初めての体験。担当させていただいたG1馬に産駒が乗ってひき馬をする相方さんを見ながら、これってめっちゃ貴重体験やん! と1人興奮しながらシャッターボタンを押していました(笑い)。最後はキングス君を挟んで家族写真を撮っていただき、本当に良い「再会の旅」となりました。

普段あまり感情を表に出さない相方さんもうれしかったのでしょう。トレセンに戻ってからすぐキングス君の写真を大久保調教師と四位調教師にお見せしたと言うてはりました(笑い)。

さて今回は菊花賞。クラシック最後の栄冠を勝ち取るのはどのお馬さんなのでしょうか。お馬さんたちや関係者の皆様のいろいろな物語に思いをはせながら応援しようと思います。

それでは今回はこの辺りで。ごきげんよう。

07年菊花賞を制したアサクサキングス
07年菊花賞を制したアサクサキングス