香港国際4競走が日曜に近づきました。毎年、4つとも当てて“グランドスラム”の達成を狙うものの、なかなかうまくいきませんが、今年こそ!の思いで取り組んでいます。馬券発売レースの予想については有料域の「奥の手」と日曜の日刊スポーツ本紙でご覧いただきますが、ここでは、それぞれのレースで、ちょっと気になるダークホースを挙げてみます。穴を狙う時の参考になれば幸いです。


<香港ヴァーズ>

日本馬VS欧州馬の構図で、香港馬はすっかり蚊帳の外に置かれていますが、あえて地元のセニョールトーバにスポットライトを当ててみます。オーストラリアからの移籍馬でオーストラリア時代は芝2000メートルのG3フランクパッカープレートに優勝、G1クイーンズランドダービーでは18頭立ての僅差2着に健闘しました。香港では昨シーズン7戦2勝。シーズン終盤のG3クイーンマザーメモリアルカップ(芝2400メートル)に優勝、続いて挑んだG1チャンピオンズ&チャターC(芝2400メートル)ではG1馬ロシアンエンペラーに2馬身4分の1差の3着に頑張りました。9月にはじまった今シーズンは3戦して6、3、3着ですが、これはすべて距離が2000メートル以下のもの。得意の距離に代わって外国馬の一角崩しをもくろんでいます。鞍上はゴールデンシックスティのヴィンセント・ホー騎手です。


<香港スプリント>

穴馬はクーリエワンダーです。回避馬が出て補欠の1番から繰り上がりで出走をかなえました。昨年は5番人気に支持されて、残り100メートルまで先頭で頑張って勝ったスカイフィールドに1馬身半差の3着。今シーズンは9着、10着と成績はさえませんが、今週はワイククと併せるなど意欲的な臨戦態勢が目をひきます。香港デビューから5連勝した実力が忘れられているようです。


<香港マイル>

欧州でG1ジャンプラ賞(芝1400メートル)を制し、オーストラリアに移籍後はG1トゥーラックハンデ(芝1600メートル)で2着しているローズオブインディシーズが人気の盲点になっています。成績がムラで着順も安定せず狙いづらい馬ですが、このメンバーでも3着に食い込む能力はあります。鞍上は追えるジェームス・マクドナルド騎手。


<香港カップ>

日本馬を穴馬に挙げるのもどうかと思いますが、外国馬に該当馬が見当たらないので、レイパパレを指名します。デビューから6連勝でG1大阪杯を制した勢いはありませんが、今年のG1大阪杯でも1000メートルを58秒台で攻めて直線先頭に立って見せ場をつくりました。結果はポタジェの好走にあって2着でしたが、改めて競馬センスの良さを感じさせました。鞍上をジョアン・モレイラ騎手に替えて、複勝圏は十分に望めるのではないでしょうか。

(ターフライター奥野庸介)

競走成績等は2022年12月8日現在

シャティンの勝負どころ(撮影・三原充史)
シャティンの勝負どころ(撮影・三原充史)