ジオグリフが皐月賞を勝った。その血統に脈々とつむいできた社台グループの歴史をみることができる。

5代母グレートターフと交配したのはガーサント。61年に社台ファームがフランスから導入し、69年にはリーディングサイアーに輝いた、初期の社台グループを支えた種牡馬だった。4代母ペルースポートにはさらなる飛躍をもたらしたノーザンテースト(76年にフランスから導入)を、3代母アンデスレディーには日本競馬を変えたとまで言われたサンデーサイレンス(91年に米国より導入)が交配されている。

3代母アンデスレディーから広がる血統には05年ダービー2着インティライミ(ジオグリフの祖母の半兄)など、重賞活躍馬は多数。クラシックに届く馬はいなかっただけに、その後もキングカメハメハ、ドレフォンと一流種牡馬の血と生産者の情熱が注ぎ込まれたジオグリフの牡馬1冠目奪取の喜びの大きさは想像に難くない。

社台スタリオンステーションの徳武英介氏は「5代血統を見たら泣けてきますよ。全部、チャンピオンサイアーの血が入っていますから。社台グループの歴史ですよ。先代(故・吉田善哉氏)から続く血統ですから、クラシックを取れて本当うれしいです」と感激のコメントを寄せた。同馬の馬主である(有)サンデーレーシング代表で、ノーザンファーム副代表の吉田俊介氏は「完璧でしたね。次はもちろんダービーに向かいます。今日の内容ならダービーでも楽しみです」と2冠奪取に意欲を見せた。社台グループの結晶ともいえる血統背景を持つジオグリフ。さらなる活躍が楽しみで仕方ない。

○…17年暮れに米国から日本にやってきた新種牡馬ドレフォンも人気高騰中だ。種牡馬生活初年度の18年から4年連続で種付け料は300万円で推移していたが、現3歳世代にあたる初年度産駒の活躍もあって22年は700万円にアップ。16年BCスプリントなど短距離G1・3勝を挙げた馬だが、同馬の父ジオポンティはマイル~中距離の芝G1で7勝を挙げた。