サブちゃんの隠し玉! 東京開幕週の日曜メインを飾るオークストライアル・フローラS(G2、芝2000メートル、24日、1~2着馬に優先出走権)で、北島三郎オーナー(名義は(有)大野商事)所有のキタサンシュガー(牝3、清水久)が樫の切符を狙う。キタサンブラックの初年度産駒で、馬主も厩舎も担当厩務員も父と同じチームブラック。北島オーナーを、5年ぶりのJRA・G1へ導く。

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茶色と黒の「キタサン」勝負服に清水久厩舎とくれば、自然と心が躍りだす。思い浮かぶのは、演歌界の大御所・北島三郎オーナー(85=名義は(有)大野商事)が所有し、G1・7勝を挙げた名馬キタサンブラックだ。フローラSではブラックの初年度産駒となるキタサンシュガーが、オークス行きのチケットを狙う。

1月、中京芝1600メートルの新馬戦。4角11番手から上がり最速で大外一気を決め、鮮烈デビューを飾った。1戦1勝で挑んだ前走のフラワーCは出遅れが響いて7着に敗れたが、中間は週に2~3回の入念なゲート練習で巻き返しを図る。

父を手がけた清水久師は「大きさは違うが、シルエットが似ているし、真面目なところも似ているね」と共通点を挙げる。父も担当した辻田厩務員は「優等生。一生懸命だし、馬房でのオン・オフもしっかりできる」と父を重ねる。スラッとした顔立ちも父譲りだ。中間はカイ食いが落ちることもなく、調整は順調そのもの。師は「ゲートを五分に出て、どの位置で競馬できるか見てみたい。ブラックみたいに前にいける脚があるかもしれないし、馬体も含めて伸びしろは十分」と期待を込める。

オークスの権利を獲得すれば、北島オーナーにとってはキタサンブラックが有終の美を飾った17年有馬記念以来、5年ぶりのJRA・G1出走が確実に。オーナーと頻繁に連絡を取り合う師は「あれだけの新馬勝ちで期待もされていましたから、何とかいい結果を。オーナーのためにも、G1の舞台に乗せてあげたいですね」と力が入る。樫の大舞台へ、「まつり」の準備は万全だ。【奥田隼人】

◆キタサンブラック産駒の初年度成績 昨年の東スポ杯2歳Sで重賞初制覇をプレゼントしたイクイノックスが、先週のG1皐月賞でも2着と好走した。他には新馬戦、大寒桜賞を連勝中のブラックブロッサムや、JBC2歳優駿で4着に入ったオディロンなど芝、ダートを問わずに活躍を見せている。フローラSにはキタサンシュガーの他に、トゥーサン、ラスールも出走する。