落馬負傷から復帰した北村友一騎手(35)が、26日の阪神10Rをオーヴァーネクサス(牡5、松下)で差し切り、昨年5月1日以来421日ぶりの勝利を挙げ、大きな拍手に包まれた。カムバック3週目での待望Vに「ホッとしました。その言葉が一番に出てくる」と笑みを浮かべながらも「もっと早く勝たないといけなかった。今日も褒められる内容ではない。まだ努力や改善をすべきところしかない。今日でリセットしてまた切り替えたい」と、すぐに頬を引き締めた。

昨年5月の落馬で背骨8本を折る重傷を負い、レース復帰まで1年1カ月を要した。「体は大丈夫」としながらも、実戦勘を取り戻すのに苦労してきた。「身近で支えてくれたのは奥さん。それ以外にもたくさんいる。感謝の気持ちを忘れず努力し続ける自分でありたい」。自他ともに認める完全復活はまだ先でも、着実に階段を上がっている。【太田尚樹】