レジェンドが北の大地で刺激的な夏を堪能する。武豊騎手(53)が今週開幕の札幌へ転戦し、函館に続き北海道を拠点にする。函館では10勝を挙げ、99年以来の2桁勝利でリーディング3位。2着も12回で連対率33・8%と安定感を見せたが「もう少し勝ちたかったね」と悔しさをのぞかせる。

好相性の地だ。「好きな競馬場だし、けっこう勝ってる印象がありますね」と記憶するようにJRA開催場別の勝率は小倉(20・2%)に次ぐ20・0%。連対率36・2%、複勝率48・9%はともにトップを誇る。「札幌では今まで一番長く乗るので、勝ち星を量産したいね」と力がこもる。

節目も見えた。JRA重賞350勝まであと1とし「やっぱり重賞をとりたいね」と気合。当地重賞は94年札幌スプリントS(ゴールドマウンテン)から98年札幌記念(エアグルーヴ)まで騎乗機会6連勝を記録も、10年クイーンS(アプリコットフィズ)で勝ってから17連敗中。今年桜花賞2着のウォーターナビレラで臨む31日のG3クイーンSでチャンスをうかがう。

8月27、28日には3年ぶりに開催されるワールドオールスタージョッキーズに参加予定。「海外の騎手と一緒に乗れるのは楽しみだね」と心を躍らせる。名手の夏は、まだまだアツい。【桑原幹久】