桜花賞2着馬か、昨年の女王か? クイーンS(G3、芝1800メートル、31日=札幌)の追い切りが27日、札幌と函館の両競馬場で行われた。

札幌の桑原幹久記者は3歳馬ウォーターナビレラ(牝、武幸)をプッシュ。函館の太田尚樹記者は連覇を狙うテルツェット(牝5、和田正)を推した。

   ◇   ◇   ◇

太田 札幌は何度?

桑原 朝の気温は22度でした。函館はどうでした?

太田 こっちも朝は22度や。涼しさは引き分けか。

桑原 そこから対決ですか…。ちなみにクイーンSは、函館開催の13年と去年を除くと、過去10年で札幌組が8戦5勝と勝ち越し。やっぱり直前輸送がないので地の利があるとみます。

太田 8戦5勝なら、ほぼ互角やけどな。

桑原 しかも今年は桜花賞2着のウォーターナビレラがいますからね。最終追い切りも抜群の手応えでした。芝で馬なりのまま5ハロン68秒9-11秒8。リズミカルで軽快な脚さばきが目立ちました。手綱をとった武豊騎手も「気持ち良さそうに走っていた。落ち着いているしいい感じ。テンションが上がりやすい馬なので、滞在競馬はいいかも」と好感触でした。

太田 オークスで大敗したし、マイルがベストの感もある。距離はどうなん?

桑原 前走の敗因は距離ではないと思います。究極の仕上げだった桜花賞の反動に暑さが加わり、本来の状態ではなかったとみます。今回の1800メートルについては武豊騎手も武幸師も「問題ない」と兄弟で口をそろえていました。古馬と比べて最大5キロも軽い52キロの重量や、札幌で新馬勝ちした実績も魅力です。

太田 実績なら去年の“クイーン”テルツェットやろ。しかも充実度は1年前以上や。町田助手によると「以前は乗るたびにすくんで(筋肉がこわばって)毎日のように獣医さんを呼んでいたのが、体質が強くなって攻められるようになった」。追い切りでも向正面から気合をつけて函館ウッド5ハロン67秒6-13秒1と、輸送を控えながらきっちり負荷をかけてきた。

桑原 前走が負けすぎの気もしますが…。

太田 ヴィクトリアMは去年が14着で今年が13着。二の脚が遅いから、G1の瞬発力勝負ではさすがに分が悪い。中山でもG3勝ちがあるように、コーナーでの加速がうまいから小回りはむしろ合うんや。データを見ても過去10年で古馬が8勝。桑原よ、先輩の壁は高く、厚いんやで。

桑原 3歳馬は12頭出走で2勝ですから、勝率16・7%は古馬を上回っています。若者の勢いと伸びしろを見せますよ!