マイルの夏王は譲れない! 今週の日曜新潟メインはサマーマイルシリーズの第3戦、関屋記念(G3、芝1600メートル、14日)が行われる。ウインカーネリアン(牡5、鹿戸)はシリーズ初戦の米子Sを制し、第2戦を終えた時点で8P(ポイント)の2位。このレースを勝てば10Pが加わり、優勝に大きく近づく。

スクリーンヒーロー産駒のウインカーネリアンが絶好調だ。爪の不安で1年以上も休養したが、復帰戦となった3月の六甲Sで6着に逃げ粘ると、その後はリステッドを連勝した。今回と同舞台、2走前の谷川岳Sは次走で中京記念を勝つベレヌスをねじ伏せた。前走の米子Sは阪神外回りの直線を、早め先頭から後続を寄せ付けなかった。「ここ2戦は自分で勝ちにいく競馬で勝ってきた強い内容。速い上がりにも対応できている。メンバーは前走よりそろうと思うけど、前走は抜け出してからまだ余裕があったし、もともとG1(20年皐月賞4着)で頑張っていた馬ですから」。鹿戸師も頼もしそうに語る。

前走後は在厩で調整。1週前追い切りは美浦ウッドの3頭併せで6ハロン83秒7-11秒3をマークし、活気のある動きを見せた。「脚元も全然問題ないし、じっくりやれています。ゲートに難しいところがあるんだけど、前走と同様に今回もレース前に練習していこうと思う」。鹿戸厩舎は15年にスマートオリオンをサマーマイル王者(レッドアリオンと同点優勝)に導いた実績がある。「雰囲気がいいし、夏の暑さは大丈夫。新潟も結果を出している」と言葉も力強い。

08年の開業時に矢野進厩舎からスクリーンヒーローを引き継ぎ、同年秋にジャパンCを制覇。モーリス、ゴールドアクターなどを輩出した成長力を最も知っているのが鹿戸厩舎にほかならない。「精神的にだいぶ大人になりましたね。(好成績は)脚元の心配がなくなったことが一番大きい。稽古もいろいろ考えながら、今は思うように稽古ができている」。皐月賞のほか、ダービー(17着)にも出走したコントレイル世代。本格化を感じさせる5歳の今、「夏王」の座が近づいている。【木南友輔】

◆22年サマーマイルシリーズ順位 米子S、中京記念の2戦を終えた時点で(1)ベレヌス10P(2)ウインカーネリアン8P(3)カイザーミノル、カテドラル5P(5)ファルコニア4P。シリーズは全4戦で、残り2戦は14日の関屋記念と9月11日の京成杯AH。リステッドの米子Sは1着8P、その他3戦はG3で1着10P。

◆サマーマイルシリーズ 12年に創設。19年まで中京記念、関屋記念、京成杯AHの3戦。20年からリステッド競走の米子Sを加えた4戦となった。総合優勝馬には3000万円の褒賞金が贈られる。