最強馬バーイード(牡4、W・ハガス、父シーザスターズ)が断然人気に応え、デビューから無傷の10連勝を果たした。鞍上はジム・クロウリーで勝ちタイムは2分9秒30。戦績は10戦10勝。昨年のムーランドロンシャン賞からG1・6連勝となった。

デビューからすべてマイル(1600メートル)の距離を走り、9連勝中だったバーイードが初めて10ハロン(2000メートル)に挑んだ注目の一戦。昨年覇者ミシュリフの後ろを持ったままの手応えで追走し、クロウリー騎手が追い出すと、瞬時にギアチェンジ。一気にその差を広げ、2着ミシュリフに6馬身半差をつける衝撃の圧勝劇となった。昨年の欧州最優秀2歳牡馬で今年の愛2000ギニー覇者、前走エクリプスS3着のネイティヴトレイルは5着に敗れた。

レース後、インターネット上では世界中のファンから凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月2日=パリロンシャン)への参戦を期待する待望論も上がっている。父シーザスターズは09年に英インターナショナルSを制し、愛チャンピオンSから凱旋門賞を制覇。バーイードの全兄フクムは6月のG1コロネーションCでパイルドライヴァー(次走キングジョージ6世&クイーンエリザベスSを快勝)を4馬身ちぎっている。

ただ、管理するハガス師は英チャンピオンS(G1、芝1990メートル、10月15日=アスコット)を次走の候補に挙げ、そこがラストランになる可能性が高い。レーシングポスト電子版によると、ハガス師は「(凱旋門賞と英チャンピオンSの)両方を走ることはできません。間隔が短すぎる。それに英チャンピオンSを最後にしたいというのがこれまでのプランです。凱旋門賞を走らせたいという気持ちはまったくありません」とコメントしている。

14戦無敗の成績を残した怪物フランケルの「再来」とも言われるバーイード。フランケルは初めての10ハロン挑戦だった12年英インターナショナルSを7馬身差で制し、続く英チャンピオンSで有終の美を飾っている。「ロンジン・ワールドベストレースホースランキング」で首位に立っているバーイードが演じた今回のパフォーマンスにどれだけのレーティングが与えられるのか、最終的にバーイードの次走はどうなるのか、無敗のまま有終の美を飾れるのか、今後の動向から目が離せない。