【シャンティイ、パリ(フランス)29日=奥田隼人】凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月2日=パリロンシャン)の舞台に奥田記者がひと足早く潜入した。実際にパリロンシャン競馬場の芝コースを歩き、状態などを確認。当日までの天気次第ではあるが、日本馬4頭の中ではタフさが自慢のステイフーリッシュ(牡7、矢作)に分があると分析した。

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決戦よりもひと足早く、舞台となるパリロンシャン競馬場に潜入を許された。実際に直線コースを歩き、鍵を握る芝の状態をチェック。日本でも阪神競馬場の馬場を取材したことがあるが、比較すると芝の1本1本がしっかりしている印象だ。そのため、芝丈以上に1歩1歩が馬場に深く入る感触。ただ、イメージしていたよりも“重さ”を感じることはなかった。

この日の馬場状態は10段階で8番目に重い「Very Soft」(重)。週中の雨で26日月曜の時点から2段階、重くなっていた。競馬場では、週末まで天気を見ながらローラー作業や芝刈りを行い、当日は10段階で6番目に重い「Good to Soft」(やや重)を目指すという。

凱旋門賞前日の土曜開催では、コース全周において内ラチから17メートル地点に仮柵を設置。内の馬場が保護される。当日の日曜はその仮柵が撤去され、さらに直線には「オープンストレッチ」と呼ばれる、内ラチから5メートル分のスペースが生まれる。仮柵なしでレースが実施されるのは年に3回のみ。7月14日以降、最内の馬場は使用されておらず、同競馬場のマネジャーであるシャルル・ド・コルドン氏は「芝は一番いい状態ですよ」と胸を張る。

潜入の結果、芝は重いとはいえ、想像以上に状態がいいと感じた。これなら日本馬4頭の中でも、海外経験とスタミナが豊富なステイフーリッシュに分がありそうだ。日本で京都新聞杯(芝2200メートル)を制しており、サウジ、ドバイでは芝3000メートル以上の長距離重賞を2勝。騎乗するルメール騎手も「タフな馬。馬場がそこまで重くならなかったら、本当のステイフーリッシュの競馬ができると思います」と自信を見せていた。当日の馬場がやや重までで持ちこたえるなら、持ち前の持久力を武器に大穴をあけても不思議ではない。