シルクロードS(G3、芝1200メートル、29日=中京)の木曜追いが26日に行われ、テイエムスパーダ(牝4、五十嵐)が軽快な動きを見せた。タッグを組むのは、前走に続くコンビ3度目の今村聖奈騎手(19=寺島)。昨夏CBC賞ではルーキーらしからぬ強気の騎乗で勝利し、話題を呼んだ。2月末で引退する五十嵐忠男調教師(70)へ、重賞2勝目を届ける。

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重賞2勝目に向け、態勢は整った。今村騎手は1週前追い切りに騎乗して、テイエムスパーダとコンタクト。この日の最終追いは助手が騎乗し坂路4ハロン52秒4-12秒2。力強いフットワークで駆け上がった。2月末で定年となる五十嵐師は「予定通り。パワフルでおとこ馬みたい」とうなずいた。

今回で3度目のタッグとなる。初コンビの昨年7月CBC賞は、果敢にハナを奪って逃げ切った。重賞初騎乗初勝利を華麗に飾った18歳の周囲は、興奮と感動のフィーバーが巻き起こった。あれから半年以上が経過。今回は左回りコースで手綱を握る。「右回りだと左に張るところがありますし、そういった意味では左回りだとうまくコーナーを曲がれるかなと思います」と舞台を歓迎する。

ここ2戦は発馬がスムーズではなかった。ただ、今回は雪の影響もあって調整パターンを変更。通常は水曜に追い切って、金曜にゲートで駐立確認していたが、今週は木曜に追い切ったため駐立練習はしない。いつもと違うルーティンで、気持ちに変化が生じれば、以前のようにスタートが決まる可能性はある。

今村騎手は先週の日曜小倉10Rを制し、今年の特別初勝利を挙げた。25日は笠松でも勝って勢いづいてきた。引退間近の五十嵐師へ、感謝のVを届けたい。【下村琴葉】