開業3年目の田中克典調教師(35)が、日曜メインの東京新聞杯(G3、芝1600メートル、5日)に送り出すピンハイ(牝4)で重賞初制覇を狙う。

3歳シーズンは牝馬クラシック路線で戦い、桜花賞5着、オークス4着と力を示した。前走のエリザベス女王杯は距離や重馬場など悪条件も重なって9着に敗れたが、休養を挟んで明け4歳はここから始動する。師は「前走はいろいろ良くない条件がそろってしまいましたね。馬は心身ともに成長して、大人っぽくなっています。東京マイルは適性があると思いますよ」と力を込める。

厩舎としてはこれまでJRA重賞に9度挑戦し、ピンハイの22年チューリップ賞2着が最高。同馬自身は5度目の重賞となるが、師は泰然自若と1つ1つのレースに向き合う。「日々の仕事の積み重ねですからね。まだまだ胸を借りる立場ですよ」。結果次第ではヴィクトリアMなど大舞台も視野に入る今年初戦。「状態は変わりなくきていますし、輸送も経験しているので問題はありません」。試金石の一戦で重賞初タイトルなるか。【奥田隼人】

◆田中克典(たなか・かつのり)1987年(昭62)8月12日、福岡県生まれ。06年に騎手デビューし、JRA通算1507戦41勝。12年2月に引退し、同3月から西園正厩舎で調教助手。20年に調教師免許取得、21年開業。JRA通算400戦43勝(2日現在)。今年は21戦2勝。