93年のダービー馬ウイニングチケットが18日、けい養先の北海道浦河町の「うらかわ優駿ビレッジAERU」で、疝痛(せんつう)のため息を引き取った。33歳だった。

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88年のジャパンCに参戦したトニービンは、日本で初めて走った凱旋門賞馬だった。このレースではタマモクロス(2着)、オグリキャップ(3着)といった日本のスーパーエースに競り負けての5着だったが、その後に日本で種牡馬入りすることになった。

初年度産駒のデビュー直前だった92年の夏、記者は北海道でトニービンを見に行った。そこで聞いたのが「これはすごい種牡馬になるよ」という言葉。だから産駒がデビューした後も、ずっとトニービン産駒に注目していた。

そんな中から登場してきたのがウイニングチケットだった。93年クラシックでビワハヤヒデ、ナリタタイシンとともに「3強」と言われていたが、前述の経緯から記者はウイニングチケットをひいきにしていた。

悔しかったのは皐月賞。ほとんど折り合いがつかずナリタタイシンの4着に敗れた。ダービーの予想は迷いに迷った。ウイニングチケットを本命にしたかったが、2000メートルで引っ掛かる馬が2400メートルで折り合うだろうか…と。結果的に◎を打ち、記者にとってのダービー予想初的中をもたらせてくれた。今でもウイニングチケットには感謝している。【中央競馬担当=岡本光男】