【リヤド(サウジアラビア)24日=藤本真育】2月いっぱいで騎手を引退する福永祐一騎手(46)が、日本時間25日深夜のサウジアラビア国際競走(2鞍)でラスト騎乗を迎える。

3回連載「福永祐一 in Saudi ラストステッキ」の最終回は、ラストライドを直前に控えた福永騎手に改めて心境を聞いた。

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“短いようで長かった”27年間の騎手生活も、残り1日となった。ジョッキーとして最後の調教を終えたレース前日の朝。笑顔を見せた福永騎手は、今の心境を語った。

福永騎手 変化はないな。(騎手を引退しても)レースに乗れなくなるだけだし、あまり変わらないから。海外だし、シチュエーションは違うけど、いつもと一緒かな。やることは変わらない。馬には関係ないからね。馬にとってベストな騎乗を心がけたい。最後まで騎手を全うしたいね。

父・洋一さんと武豊騎手の背中を見て踏み入れたジョッキーの世界。何かで1番になりたい。その志を胸に、挑戦し続けた。

福永騎手 父がいたからこの世界に入って、たくさんの人にサポートしてもらえた。父なくして今の自分はいない。豊さんにもかわいがってもらった。ただ、30歳くらいの時に工藤公康監督(当時=ソフトバンク)に「かわいがられているうちは超えられない」と言われて。(豊さんと)距離をとって、自分の足で行かないといけないと思った。そこから取り組んで、リーディングが取れた。プライベートも一緒に過ごすことはなくなったけど、必要な手段だったと思う。

2人の“スーパースター”が常に目標だった。「後悔はあるけどやりきった」ジョッキー人生。調教師で一番を目指す次なる闘いを前に、まずは全力で、27年間の思いをラストステッキに込める。(おわり)