7番人気モズメイメイ(音無)が、逃げ切って重賞初制覇を飾った。武豊騎手(53)を背に、前走に続く逃走劇で阪神芝マイルで2連勝。今後は在厩で調整し、同舞台の桜花賞(G1、芝1600メートル、4月9日=阪神)へ向かう予定。2着コナコースト(清水久)、3着ペリファーニア(鹿戸)までが優先出走権を獲得した。

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武豊騎手に導かれ、モズメイメイが先頭で直線へ。ハイライトが始まった。リードは2馬身ほど。差は詰まりそうで詰まらない。名手のステッキが入ると、さらに粘り腰。最後は2着馬を鼻差、3着馬は鼻+首差で退けた。「ぎりぎりでしたけど、よく馬が頑張ってくれました」とたたえた。

巧みにペースを操った。スタートを飛び出し、他馬の出方を見ながらハナへ。最初の3ハロンは35秒2。スローペースに持ち込み、4-5ハロン目は12秒3-12秒4。前走より少し行きたがる面があったというが、我慢させて手応え良く直線へ。最後まで粘り切る脚を残していた。「いいペースで走れました。いったんリード取れたらいいなと思っていたので、そのリードが利いたと思います」と落ち着いて振り返った。

コース入場時、先を行く誘導馬に乗っていたのは調教師に転身したばかりの福永師だった。「今日の勝利は誘導馬が良かったと思います。開業したら乗せてください」と、ちゃめっ気たっぷりに口にした。福永“調教師”に導かれての重賞制覇。レジェンドは、すてきな笑顔を浮かべていた。【網孝広】