これぞ「大河ドラマ」!? 5番人気のシーズンリッチ(牡、久保田)がクラシックへ名乗りを上げた。

中団から馬群を縫って抜け出し登竜門を突破。今後はダービー(G1、芝2400メートル、5月28日=東京)に目標を絞る。2年目の角田大河騎手(19=石橋)は、同期では今村聖奈騎手に続く2人目の重賞初Vを果たした。

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鋭い眼光は馬群の中でも泳がなかった。直線半ばで他馬に包まれたシーズンリッチ。それでも大河は冷静だった。慌てず徐々に外へ導き、視界が開けた隙を逃さず両手をしごく。登竜門を突き抜けた。左手を3回振って喜びを握りしめた。

「チャンスをつかむことができて感謝の気持ちでいっぱい。思い描いた展開で、いい位置をとることができました。この馬の勝負根性に感謝したいです」

早口になりながらも謙虚な言葉を並べた。元騎手の父晃一調教師と同じ19歳での重賞初Vだ。2歳上の兄大和騎手も「しゃべり方も歩き方もそっくり」と認める“父の再来”。1年目には今村騎手に次ぐ36勝を挙げたが、根っからの負けず嫌いは「危機感と緊張感を持たないと」と不満げだった。飛躍を誓う2年目。久保田厩舎からの初の騎乗依頼に最高の結果で応えた。

15年2冠馬の息子もクラシックへの道を開いた。久保田師は「うまく乗ってくれた。デビューの時から期待していて強い相手とぶつけてきた。それが生きたのかも。今後はできればダービー一本で行きたい」とプランを口にした。人馬とも今が伸び盛り。G1シーズンでも父さながらの活躍を期待しよう。【太田尚樹】

◆シーズンリッチ ▽父 ドゥラメンテ▽母 エバーシャルマン(ハーツクライ)▽牡3▽馬主 宇田豊▽調教師 久保田貴士(美浦)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 5戦2勝▽総収得賞金 4826万9000円▽馬名の由来 旬が豊富