白毛のG1・3勝馬ソダシ(牝5、須貝)が、ヴィクトリアマイル(G1、芝1600メートル、14日=東京)で史上3頭目の連覇に挑む。

自己最長となる半年の休み明けだが、約2カ月前の3月9日に栗東へ帰厩して、みっちり乗り込まれてきた。今浪厩務員は「間が空くのを頭に入れて、早めに連れて帰ってきた。先週は競馬みたいな感じの強い追い切り(Cウッドで自己ベストの6ハロン78秒8-11秒4)をして、調教は万全だと思う」と胸を張る。

新たな鞍上も好感触を得た。4月26日の2週前追い切り(同81秒0-11秒6)にまたがったレーン騎手は「動きも良くて、調教内容も満足」と評価。このレースでは19年に5番人気ノームコアを勝利に導いた実績もある。

JRA・G1で10勝を挙げてきた今浪厩務員にとって、この春にかける思いは強い。現在64歳。9月に定年を迎える。ソダシに携わる日々も終わりが近い。

「2連覇したいな。俺も最後やから」

見た目とは裏腹に気難しさを秘める白毛のアイドルを手がけるのは、重圧もあって決して楽ではなかった。それでも「『アイツ』と比べたら…」と笑う。もちろん、ゴールドシップのことだ。芦毛の暴君に手を焼いた経験は、今に生きている。

「相手を見て仕事をするわけじゃない。自分の馬の調子を上げて競馬へ行くだけ」

胸に期する思いがあっても、やるべきことは同じだ。たくさんのファンが待つ府中のターフへ、熟練の腕で仕上げた真っ白な愛馬を送り出す。