白毛のアイドルホース・ソダシ(牝5、須貝)が9日、“夏休み放牧”のため、栗東トレセンを退厩した。今年7月で引退となる今浪隆利厩務員(64)にとって、この日がソダシと過ごす最後の日となった。馬運車で運ばれていく愛馬を手を振って見送り、「行っちゃった」とさみしそうな様子だった。

今浪厩務員は「触れるのが最後やから、きれいにしようと思って一生懸命に洗った。(別れるのは)さみしいよ。けど、競馬場にも応援に行けるし、いつでも会えるからね。(ソダシが)引退して、もし子どもができたら応援したい」と心境を話した。

ソダシは21年桜花賞などこれまででG1・3勝を挙げている名牝。デビューから約3年間、計16戦で思い出に残っているレースを聞かれると「一番を挙げるなら桜花賞かな。牝馬のクラシックを勝つという夢をかなえてくれたから。その次は去年のヴィクトリアマイルだと思う。でも、今までずっとともに戦ってきたし、全部のレースが思い出やな」と優しい表情で振り返った。

前走の安田記念は7着だったが、夏休みを挟み、秋以降も一線級で走り続ける。7月で引退するため、担当することはできないが「勝負の世界だから、もちろん勝ってほしい。だけど、無事に帰ってくることが一番だね」と笑顔で愛馬にエールを送った。

今浪厩務員は13、14年宝塚記念を連覇するなどG1・6勝を挙げた“芦毛(あしげ)の怪物”ゴールドシップなど多くの有力馬を担当した腕利き。今週日曜阪神6Rに出走予定のホウオウロザリーで、パドックで担当馬を引っ張るのは最後となる。