世界が注視するセレクトセールが週明けの10日月曜(1歳馬)、11日火曜(当歳馬)に開催されます。

昨年は2日間で447頭が総額257億6250万円で売却され、落札率は驚異の95%超え。米国のキーンランド、英国のタタソールズ、アイルランドのゴフスなど著名なサラブレッドセールを上回るマーケットとして年ごとに存在感を増しています。

昨年のセレクトセールにおける1頭あたりの平均価格は5763万4228円(税抜き)で、これもトップレベルですが、セレクトセール以外にも高額馬が飛ぶように売り切れるセリが、アジアに存在しています。

それが香港ジョッキークラブ(HKJC)が主催する香港セールです。

シーズン中に1度ないし2度程度行われる香港セールは、HKJCによって世界中から買い集められ調教を施された3歳馬が、毎回20頭前後上場されて、即戦力を求める現地オーナーの要望に応えています。

以前から完売が続くセリでしたが、一昨年の同セールで取引されたロマンチックウォリアーが香港ダービーやG1香港C優勝の一流馬に出世したこともあって、人気はさらに過熱。6月30日金曜に行われた香港セールでは、シャティン競馬場パドックの特設セールスリングに登場した15頭(3頭欠場)が完売しました。

最高価格はオーストラリアの人気種牡馬ズースターを父に持つ去勢馬で、860万香港ドル(約1億6200万円)。その他の馬も軒並み高額取引となり、セリの売却総額は7160万香港ドル(約13億5000万円)。平均価格は477万3333香港ドル(約9000万円)に達しました。

今回の落札馬は新オーナーのもと、それぞれの厩舎に分散。真夏のオフシーズンを経て9月10日に始まる予定の新シーズンでデビューする予定になっています。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)