セレクトセールの熱気とは比べものになりませんが、世界の競馬ファンが熱い視線を送る注目のネットオークションが行われていることをご存じでしょうか。

今年いっぱいでの引退を決めているランフランコ・デットーリ騎手の輝かしい騎手人生が詰まった品々が並ぶ「ザ・フランキー・デットーリセール」は、先週水曜(5日)から英国のオークション会社のチェフィンズ(Cheffins)の主催ではじまり、来週火曜(18日)英国時間17時に落札者を決めることになっています。

ここに上場されている品々はデットーリ騎手が所有するあまたの優勝カップやプレート、主戦騎手として活躍していた当時のゴドルフィンの勝負服、愛用のブーツ、サイン入りの鞍、それに往年の名騎手スティーヴ・コーゼン騎手から送られて、デットーリが30年以上も使用した体重計などファンにとっては垂ぜんの品ばかり125アイテム。中には今年6月にソウルシスターで制したG1英オークスのトロフィーも含まれています。

11月7日にオーストラリアで行われるG1メルボルンCを最後にムチを置くことが報じられているデットーリ騎手はすでに家族とともに暮らしたニューマーケット郊外の6000坪を超える広大な自宅を引き払って、これを賃料月額1万5000ポンド(約281万円)で賃貸に出すなど、引退後に向けたカウントダウンを着々と進めています。

引退後はロンドン市内のコンパクトな住居に移ることを決めているデットーリ騎手は、新居には収まりきらない記念品の一掃を決めたといいます。

しばらくはゆっくりして家族とともに世界を旅するというデットーリ騎手。日本でも最後の雄姿を見たいものです。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)