中京最終週に組まれた日曜メインはサマーマイルシリーズ第2戦・中京記念(G3、芝1600メートル、23日)。現在JRA69勝で全国リーディング3位、3回中京では9勝を挙げており、リーディング首位を行く岩田望来騎手(23)は良血馬アドマイヤビルゴ(牡6、友道)と参戦。開催リーディング&重賞制覇の“両取り”を狙う。

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若手成長株の快進撃は止まらない。デビュー5年目となる岩田望騎手は先週の中京で4勝を積み重ね、今年のJRA勝利数を69勝とした。キャリアハイだった昨年の103勝を上回るペースで、ルメール、川田両騎手に次ぐ全国リーディング3位につける。また、今開催の中京では9勝を挙げて首位。開催リーディングを視野に入れる。

「いい形で順調に勝たせてもらっていますし、僕自身もいい雰囲気で乗れています。中京に関しては、祐一さん(福永技術調教師)に僕がデビューした頃からコースの傾向、特徴を聞いていたので、それを今も生かしています」

年始の京都金杯(中京開催)をイルーシヴパンサーで快勝し、勢いそのままに勝ち星を積み重ねてきた。ただ、もちろん満足はしていない。「いろんな先輩騎手の騎乗スタイルを見て、勉強してます」と常に自分のアップデートを心がける。「(昨年)JBCレディスクラシックをヴァレーデラルナで勝たせていただいて、すごくうれしかったんです。なので、重賞、G1をもっと勝ちたいです」と意気込む。

夏の中京リーディング獲得と重賞制覇へ。開催最終日のメイン中京記念ではアドマイヤビルゴとコンビを組む。中間は5日の2週前追いに騎乗。「動きは良かったです。もともと素質がある馬で、徐々に良くなってくれています。なんとか重賞のタイトルを取らせてあげたいです」と気合十分だ。中京芝には「差しが決まっていますが、ペース次第で前が残る難しい馬場。当日、しっかりチェックしてうまく導いてあげたいです」とイメージ。勝利で締めて勢いを加速させ、夏後半、そして秋のG1シリーズへ。夏も秋も、岩田望騎手から目が離せない。【藤本真育】

◆岩田望騎手の23年中京芝1600メートル成績 勝利数こそ2勝で6位タイだが、年始にG3京都金杯を制覇。【2 4 4 13】で連対率26・1%、複勝率43・5%と安定感を見せている。21年以降に範囲を広げても【7 14 11 36】の好成績で、勝率10・3%、連対率30・9%、複勝率47・1%と高い数字を残している。