ディープインパクトが天国に旅立ってから早くも4年。30日は命日になる。主戦を務めた武豊騎手(54)は同日の札幌メイン、クイーンS(G3、芝1800メートル)で同産駒最終世代のライトクオンタム(牝3、武幸)とコンビを組む。ラストクロップとの重賞勝利をかつての相棒にささげる。

あの悲しみの日から4年。今年もディープインパクトの命日がやってくる。その前日の29日には、英愛ダービーを制して父の名をさらに世界へ知らしめたラストクロップのオーギュストロダンが、上半期の欧州競馬を締めくくるキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(英アスコット)で主役を務める。武豊騎手は「すごいよね。体は小柄だけどいい走りをしている。さすがだなと思う」と目を細める。同時に、この世を去ってもなお、存在感を放ち続けるかつてのパートナーの偉大さに思いをはせた。

自身は命日当日のクイーンSで、父の最終世代産駒であるライトクオンタムに騎乗。今年のシンザン記念で大外からの鮮やかな差し切りで重賞タイトルをつかんだ素質馬だ。「能力はあるので力を出せればね。1800メートルの方が合っていそうな気はするし、52キロで十分チャンスはあると思う。状態は分からないけどシンザン記念のような競馬で、状態が良ければ通用していいと思う」。牝馬クラシックでは壁に阻まれ、古馬一線級との初対決になるが、同馬への信頼は揺るがない。「ラストクロップで勝てればいいね」。鞍上はディープに勝利をささげるべく意欲を燃やしている。【井上力心】