いきなりですが、問題です。札幌競馬場で芝コースが運用開始された90年以降、芝は何開催日、不良馬場になったことがあるでしょう。1開催日のうち、1競走でも不良馬場でのレースが生じたら1回とカウントします。

ヒント。90年以降、札幌では502日間の開催がありました。ダートで不良馬場を記録したことがあるのは31回です。そのうち2回は先週の土日です。

答えは…、0回。コアな競馬ファンには簡単な問題だったかもしれませんが、今まで札幌芝コースは1度も不良馬場になったことがありません。

過去に芝は重馬場ですら、先週の日曜を含めて16回だけ。20年8月30日のキーンランドC当日なんかはさすがに不良馬場までいくんじゃないかと思う雨開催でしたが、洋芝と馬場を仕上げる技術力の高さが道悪開催の少なさを表しているのかもしれません。

そこで10日朝は何人かの騎手に開催3週を終えた芝について聞いてみました。ある騎手は「内もそんなに悪くないので、結局外を回るとその分がロスになる」と証言。また別の騎手は「2列目までにはつけないと」と話してくれました。先週は道悪開催でも、インの先行有利。今週初めは札幌競馬場周辺で雨が降りましたが、木曜以降は好天が見込まれています。今週末はAコース使用4週目ですが、馬場状態に大きな変化はないといえるでしょう。

重馬場開催の先週日曜で冷静かつ大胆な騎乗が目立ったのが、佐々木大輔騎手(19=菊川)です。3勝全てが芝。特に内ラチ沿いを突いた3Rトゥルブレンツの直線抜け出しにはしびれました。「前が開くだろうなと思って。イチかバチかで狙いました」。その後は逃げ、先行でも勝利。「のめる馬でもある程度は(道悪を)こなせていたので」と、馬場を完璧に読み切っていました。

各陣営が出馬投票を終えたこの日の夕方に、今週末の全出走馬が確定しました。個人的に楽しみにしているのが13日札幌10R藻岩山特別(2勝クラス、芝2000メートル)のルージュアルル(牝4、国枝)。佐々木騎手は「今回の小回りはいいと思います。先行力があるので、いいポジションで競馬ができたら」と、色気を持って昇級戦に臨みます。馬場を味方にした先行押し切りに期待しています。【松田直樹】