クローバー賞2着で波乱を演出したカイコウ(せん2、北海道・田中正)が、札幌2歳S(G3、芝1800メートル、9月2日)でも再び激走ムードだ。ホッカイドウ競馬(道営)勢の同レース参戦は、同じくクローバー賞2着で出走権を得て5着と善戦した19年ヨハネスボーイ以来、4年ぶりになる。

管理する田中正二師(71)は、81年に厩舎開業。元騎手で見習い時代には牧場で名馬トウショウボーイにもまたがったことがある。「昔は、よく馬に乗って買い物に行ったものだよ。ずいぶんと時代は変わったけれど、馬は馬主さんの大切な財産。何年やっても、これでいいということはないが、無事に1つでも多く勝たせてやりたいという思いは、いつでも変わらない」と話す。

父は大舞台に強いスクリーンヒーロー。3代母には名馬トウカイテイオーの母トウカイナチュラルの名がある名血だ。芝適性が高いことは前走で実証済み。距離にも融通が利く、スタミナ豊富な配合だ。「先代の時代から何かと目をかけてくれた牧場の生産馬。定年も近いし、こういう馬で大きなところへ行けるのも感慨深いものがある」。この道、半世紀超え。必然的に出会った「邂逅(かいこう)」で、01年ヤマノブリザード、03年モエレエスポワール以来、3頭目の道営勢Vをたぐり寄せる。【奥村晶治】