地元新潟でビッグサプライズを起こす。新潟記念(G3、芝2000メートル、3日)で新潟県新潟市出身のルーキー小林美駒騎手(18=鈴木伸)の重賞初騎乗が8月31日、正式に決まった。夏開催2勝と存在感を示す鞍上がコンビを組むのはイーサンパンサー(牡7、中野)。距離こそ違うが、先週土曜の新馬戦で8番人気マジマックサランを3着にもってきた外回りコースで、超大駆けを狙う。

驚きとうれしさが一緒にきた。ルーキー小林美騎手に初重賞挑戦のチャンスが舞い込んだ。8月30日夕方、予期せぬ着信があった。発信者は中野師。直々にイーサンパンサーの騎乗依頼が届いた。小林美騎手は「最初は本当かなと思いました。地元で開催最後の週に重賞に乗れるのはうれしいです。まだ経験はないですが、乗せてくれる方々に恥じない競馬をしたいです」と笑みがこぼれた。

新潟県新潟市出身。実家から車で30分ほどの距離にある新潟競馬場の乗馬苑で、小学5年から馬にまたがり始めた。その中には10、11年新潟記念連覇のナリタクリスタル、14年新潟大賞典優勝のユールシンギングなど、新潟の外回り2000メートルの勝ち方を知る馬もいた。「外回りは直線も長いのでいつ追うか、馬の手応えを見ながら乗っています。自分も経験を積ませてもらいましたから」。現役女性騎手でデビュー初年度にJRA重賞に騎乗するのは3人目。ご当地ならではの縁も背中を押すはずだ。

相棒は朱鷺S16着からの連闘。鞍上同様、重賞初挑戦だ。イーサンパンサーは前走後、新潟滞在しており、返し馬で初めてコンタクトを取ることになる。「前走で隣枠の馬に乗っていた(兄弟子の)津村さんから、ゲートでそわそわしていたと聞きました。自分が気を付けて、落ち着かせてあげられれば。切符をもらったからには、全力で乗りたいです」。開催中、家族がほぼ欠かさず応援にきてくれる。声援と期待に応える走りを夏の最後に届ける。【松田直樹】

◆現役女性騎手のデビュー年JRA重賞騎乗 藤田菜七子騎手はデビュー1カ月足らずの16年3月20日にスプリングSに騎乗しモウカッテルで9着。5月には目黒記念に参戦した。今村聖奈騎手は22年7月のCBC賞テイエムスパーダで重賞初騎乗初勝利。G1ホープフルS(スカパラダイス18着)など11鞍に騎乗した。