21日土曜にアスコット競馬場で行われた英チャンピオンズデーを最後に英国でのL・デットーリ騎手(52)の騎乗が、ひとまず終了しました。

ひとまず、としたのは現役引退を翻して米国のカリフォルニアを拠点に来年も現役を続けることにしたデットーリ騎手が、大レースに限って海を渡る可能性があるからです。

それにしてもすごいのが、今シーズンのデットーリ騎手の成績です。

勝ち鞍順による英国騎手ランキングは30勝(騎乗126回)で70位にすぎませんが、驚くべきはその濃すぎる中身。英国での30勝のうち、G1はテン乗りのキングオブスティールで飾った土曜の英チャンピオンSを含め7勝。これにG2の6勝とG3の7勝を合わせて重賞勝ちは、全勝ち鞍の3分の2となる20勝。この他にドバイでドバイターフ、フランスでジャックルマロワ賞の優勝もあって、今年のG1制覇は9度となっています。

来月3、4日に行われるブリーダーズC(BC)にもモスターダフ(BCターフ出走予定)、インスパイラル(同フィリー&メアターフ)、キンロス(同マイル)などのお手馬に加えて、10月1日のG2ウッドワードSに勝って、BCクラシックが引退レースとなるゼンダン(牡4、父アップスタート)への騎乗も決まり、G1を16勝した19年以来となるG1・2桁勝利も手の届くところにきています。

デットーリ騎手は現役欧州騎手で最多のBC通算12勝を挙げていて、今年と同じサンタアニタパーク競馬場を舞台とした08年のBCクラシックでは、J・ゴスデン厩舎のレイヴンズパスで制しています。

24日時点でBCクラシックの出走予定馬は13頭(フルゲート14頭)。1番人気は相変わらずG1を2連勝して臨むアルカンジェロ(牡3、父アロゲート)ですが、本番が近づくにつれてウシュバテソーロ、ホワイトアバリオ、それにゼンダンといったキャリア豊富な古馬の人気が高まりつつあるようです。(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)