JRAは30日、熊沢重文騎手(55)の引退を発表。同騎手は同日、日刊スポーツの取材に応じ、引退を決断した心境を語った。

【熊沢騎手の一問一答】

-引退理由は

熊沢騎手 けがの具合が思わしくないので。2月に1年ぶりに復帰はしたけど、調子が上がらなかった。昨年(2月26日の)、小倉で落馬して負傷したところです。頸椎(けいつい)を骨折して、まだボルトでとまっている。骨がくっついていないんです。そのけがをずっと引きずっている。それで、決断しました。

-誰かに相談は

熊沢騎手 奥さんといろいろ相談しました。これ以上、奥さんに迷惑をかけられない。心配しかかけていないので。

-引退後は

熊沢騎手 先のことは何も考えていません。引退式でけじめをつけて、その後は、競馬から離れて、奥さんと2人でゆっくりする時間をつくりたいです。

-思い出の1頭

熊沢騎手 聞かれると思って、いろいろ考えたんですが、やっぱりデビュー初騎乗のジュニヤーダイオー。初勝利もさせてくれたし、その後、特別レースも勝たせてもらった。スタートしたばかりの僕を押し上げてくれた馬だと思っています。

-障害通算257勝は歴代1位

熊沢騎手 後からくる人間に、超されないところまで行ってやるぞ、と思っていたんですが…。でも、ここまで来られて、いろんな人に感謝ですね。

-平地G1も3勝

熊沢騎手 欲張りすぎたかな(笑い)。

-37年間は長かったか

熊沢騎手 なんというか、(けがもあったが)僕自身の気持ちで今まで続けてこられたと思う。本当にこれまでいろんな人の手助けがあった。感謝しかありません。

-JRA史上初の平地、障害双方200勝、平地・障害双方G1勝利など、数々の記録を残した。

熊沢騎手 僕がすごいんじゃなくて、勝ってくれた馬たちが強かった。馬に感謝しています。