念願だったブリーダーズカップを初めて生観戦出来ました。

期待以上に最高の雰囲気で、欧州の競馬ともまた違った味があり、何よりも晴天続きなのがうれしい限りでした。

サンタアニタ競馬場内にある馬の銅像は3体。パドック内にシービスケット、正門を入ってすぐのところにゼニヤッタ、ジョンヘンリーです。その近くに、競馬場の歴史を物語るモニュメントがあります(写真)。

第2次世界大戦中、同競馬場の厩舎が、一時的に日系アメリカ人の強制収容所になったことを示すものです。

写真にある文章をザッと訳すと「フランクリン・ルーズベルト大統領が、1942年3月30日~10月27日まで約2万人の日系アメリカ人の、集合センターとして使用された。1942年~1945年まで、西海岸最大の陸軍兵器訓練センターで、10万人以上の兵士が訓練を受けた」とあります。

日本軍が真珠湾を攻撃したことで、日米が開戦。米国が日系アメリカ人を敵の国民として、強制収容しました。収容された人は、競馬場から米国内へ移送。約3年に渡り厳しい生活が続いたといいます。

同競馬場の厩舎は、築年数が経過しかなり古くなっています。外壁はペイントなどで保っているものの、天井も低く馬房内で馬が立ち上がると、頭をぶつけるほどだと言います。競馬場としては建て替えを希望しているのですが、行政側は「歴史的な遺産」ということで立て替えを許可していません。一部を残して上で立て替えを、と交渉しているそうですがどう進むのでしょうか。

この話をしてくれた現地のある記者は「BCには日本人記者がたくさん来てて、サンタアニタにこんなにいっぱい来るのは第2次大戦以来だな」を最後はブラックな冗談で締めてました。もちろん友好の証してですよ。

海外の競馬を見に行くと、各国の特長ある調教が見られることの他に、こういった歴史的背景も感じられることも醍醐味(だいごみ)です。BC便りの最後が、競馬とは直接関係ないことですいません。来年のBCはデルマー競馬場。今から旅費をためようと思ってます。【高橋悟史】