08年の天皇賞・春を制したアドマイヤジュピタが老衰のため死んだ。20歳だった。28日にけい養先のノーザンホースパーク(北海道苫小牧市)が公式X(旧ツイッター)で発表した。

同馬は05年11月に友道厩舎からデビュー。素質を評価されながら、骨折もあってクラシックには出走できなかったが、古馬になってから頭角を現した。4歳秋の07年アルゼンチン共和国杯で重賞初挑戦初制覇。翌08年天皇賞・春を3番人気で勝利した。いまや西の名門となった友道厩舎のG1初制覇だった。

友道師は「2、3年前に会ったのが最後でした。乗馬として頑張っていると聞いていたのですが…。この馬の現役時代は私もまだ若く、なんとかクラシックに走らせたくて無理をし、骨折をさせてしまいました。それだけに古馬になって、天皇賞・春を勝ってくれた時はうれしかったですね。私のG1初制覇でもありました。この馬での経験は、現在の私の調教法の原点になっています。よく頑張ってくれたな、ありがとうと伝えたいです」と話した。

父はフレンチデピュティ、母はジェイズジュエリー(母の父リアルシャダイ)。現役時は通算14戦7勝。重賞3勝、うちG1・1勝。

ノーザンホースパークのXは「パークでは乗馬として競技会へ出場したり、穏やかな性格から多くのイベントでも活躍してくれました。ジュピタ、たくさんのすてきな思い出をありがとう。安らかな眠りをお祈りしています」とつづった。

天皇賞・春の鞍上を務めた岩田康騎手は「思い出深い1頭です。あの天皇賞は大外枠で、ゲートで潜って出遅れたんですが、馬を信じて乗りました。賢くて、乗りやすい馬でした」と振り返った。