半年ぶりもなんのその! 3歳馬ベラジオオペラ(牡、上村)が好位から伸び、重賞2勝目を挙げた。勝ち時計は1分58秒8。前走のダービーに続いてコンビを組んだ横山和生騎手(30)は、今年のJRA重賞5勝目となった。

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500キロを超える鹿毛(かげ)の馬体が、仁川のターフを躍動した。半年ぶりのベラジオオペラが2着ボッケリーニとの激戦を制し、鼻差で勝利をつかみ取った。長い写真判定が終わると、横山和騎手はガッツポーズ。「自分の乗っている感じでは残ったと思いましたし、なんとかという思いでした。うれしかったです」と笑顔だった。

堂々とした走りだった。好位の内めから4コーナーで外へ出し、直線では先に抜け出す横綱相撲で勝負した。「今回は小細工せずに、正攻法の競馬をしてしっかり押し切ってほしいと思っていました」。ダービー4着から、半年ぶりの復帰戦。古馬とは初対戦だった。「この先、こういうメンバーとやっていかないといけないですし、なんとか結果をという思いで臨みました」と馬の力を信じ抜いた。

まだまだ上を目指せる逸材だ。馬体重は20キロ増の514キロ。伸び盛りの3歳馬だけに成長分もあるが「まだ緩さがあるのでこの先が楽しみで仕方ないです」と鞍上は話す。クラシックで味わった悔しさをバネにさらなる大舞台へ。上村師は「ここを勝たないとG1なんて言ってられませんから」と期待に胸を膨らませた。【藤本真育】

◆ベラジオオペラ ▽父 ロードカナロア▽母 エアルーティーン(ハービンジャー)▽牡3▽馬主 林田祥来▽調教師 上村洋行(栗東)▽生産者 社台ファーム(北海道千歳市)▽戦績 6戦4勝▽総収得賞金 1億6147万8000円▽主な勝ち鞍 23年スプリングS(G2)▽馬名の由来 冠名+歌劇。