奇跡のラスト騎乗となった-。オーストラリアの名手、ダミアン・オリヴァー(51)が16日、現役を引退した。

出身地の西オーストラリア州、州都パースのアスコット競馬場で迎えた最終日。最終レースに組まれたG3ゴールドラッシュはこれまでの栄誉をたたえ、「ダミアン・オリヴァー・ゴールドラッシュ」と銘打たれていたが、これがラスト騎乗だったオリヴァーはムナメクに騎乗し、見事に最終騎乗で重賞制覇を果たした。ゴールの瞬間は場内が割れんばかりの歓声と拍手で包まれ、「オリー」の愛称で呼ばれる名手は多くの関係者、ファンに祝福を受けた。

オリヴァー騎手はG1・126勝を誇るオーストラリアのレジェンドジョッキー。メルボルンCは95年ドリーマス、02年メディアパズル、13年フィオレンテで3勝を挙げ、日本馬がワンツーを決めた06年はポップロックを2着に導いている。他にもコックスプレート(2勝)、コーフィールドC(4勝)、ゴールデンスリッパーなどオーストラリアを代表するG1を何度も制してきた。来日経験も多く、93年のジャパンCはナチュラリズムとのコンビで9着。JRAの短期免許で来日し、04年の天皇賞・春はゼンノロブロイと2着に入っている。