2023年も名馬、ホースマンが天国へと旅立った。ファンの記憶に残る名馬、調教師の死を悼むとともに、その栄光を振り返る。(JRA、牧場、調教師会などからの発表を受け日刊スポーツ紙面で報じたG1馬など、調教師が中心)

■1月21日大久保正陽元調教師(87)

誤嚥(ごえん)性肺炎のため亡くなった。3冠馬ナリタブライアンなど多くのG1馬を管理した。

父や弟も元騎手で元調教師という競馬一家で育ち、57年に騎手となった。71年に調教師免許を取得。調教師として通算597勝、うち重賞は50勝。76年天皇賞・春をエリモジョージで制覇。93年夏にデビューしたナリタブライアンは史上5頭目の3冠馬となり、97年有馬記念はシルクジャスティスで制した。06年に調教師引退、G1級レースは通算11勝を挙げた。

息子の大久保龍志師は「実績はすごいですし、人を何人も育て、亡くなってから改めてでかかったなと思います。師匠として、おやじとして、尊敬するところはいっぱいある。(父の厩舎に)在籍している時にブライアンみたいな馬を間近で見させてもらったことも大きな財産になっていると思います」とコメントした。

■7月10日奥平真治元調教師(86)

病気療養中のところ亡くなった。

71年に開業して、定年の07年に引退するまでJRA通算816勝、重賞49勝(G1級6勝)。72年にラファールで安田記念を勝って重賞初制覇を果たし、73年にはストロングエイトで有馬記念を勝った。86年にはメジロラモーヌで史上初の牝馬3冠を達成した。ダービーは88年メジロアルダンなど2着3回だったが、メジロライアンで91年宝塚記念、レオダーバンで同年の菊花賞を制し、数多くの名馬を育てた。おいが横山典弘騎手、娘婿が奥平雅士調教師。