登竜門を突破するのは誰だ? きさらぎ賞(G3、芝1800メートル、4日=京都)の追い切りが1月31日、東西トレセンで行われた。恒例企画「追い斬り激論」では好調教の2頭をピックアップ。大阪本紙の太田尚樹記者が東京スポーツ杯2歳S3着のファーヴェント(牡、藤原英)を推し、オールドルーキー明神理浩記者はホープフルS8着のインザモーメント(牡、田中克)をプッシュした。

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太田 学生時代は日刊スポーツだけでなく「ト○セン探券隊」も愛読してましたから、明神さんと対談できるなんて光栄です。

明神 ウン十年前の話かいな。過去にとらわれず、未来の勝ち馬を探そうや。

太田 過去も大事ですよ。僕の推すファーヴェントは、前走で前残りの展開に泣かされ、最後は内へもたれながら2着と鼻差。素質の高さは間違いないです。

明神 肝心の動きは?

太田 絶好でしたよ。弾むような走りで坂路4ハロン52秒6-12秒0。余裕しゃくしゃくというか、むしろセーブするぐらいの手応えで、ヴィレム(3歳1勝クラス)を追走して併入しました。藤原英師も「目いっぱいでなく余力残しの状態で良かった。乗りやすくて総合的に高いレベルの馬。ここ勝負ではないけど、その過程の中で順調」と自信の口ぶりでした。

明神 あの走りから、今の荒れた馬場はどうなん?

太田 そこでしょうね。藤原英師も「きれいな走りをするから馬場がどうか」と指摘してました。ダートで3戦3勝の半姉サーマルソアリングをはじめパワー兼備の母系ですし、馬場読みにたけた川田騎手にも期待したいところです。

明神 僕はインザモーメントが良く見えたわ。4頭併せのような形でアストラカ(3歳未勝利)と併入。「足りないと思ったらやっていい」って指示やったらしいけど、最後に軽く仕掛けた程度。それでいてCウッド6ハロン81秒5-11秒5の好時計やからね。鮫島駿騎手のジャッジも、先週の「良化の余地がある」から、今週は「かなりいい動き」まで上がっとった。

太田 過去も大事ですよ。ホープフルSの8着はどう見てますか?

明神 レースが上手で、うまく立ち回っとったと思う。展開も厳しかったし、着順よりいいレースやったんやないかな。鞍上も「パワータイプで今の馬場もこなしそう」って見込んでたし、下馬評は低いけど一発あると思うわ。

太田 おおっ、明るい未来が見えてきましたね。

明神 でも、先週はサッパリやったからなあ…。

太田 過去にとらわれずにいきましょうよ!

▼太田の目 時計が出やすい馬場とはいえ、引っ張るぐらいの手応えで右肩上がりのラップを計時した。能力の高さをうかがわせる。

▼明神の目 残り1ハロンを過ぎて仕掛けられてから反応するまでが速かった。前脚のさばきから今の荒れた馬場もこなせそう。

◆前走重賞組 きさらぎ賞では前走が重賞だった馬が強い。過去10年で23頭が出走して【4 2 4 13】。勝率17.4%、連対率26.1%、複勝率43.5%と信頼度は高い。一方で「前走新馬戦組」は14頭出走で【1 1 0 12】と苦戦している。