今月30日(土曜)に行われるドバイWCデーの現地予選となる“スーパーサタデー”が3月2日(土曜)、メイダン競馬場で行われました。

この日、一番の話題となったのは現地の桜花賞にあたるジュメイラ1000ギニー(芝1600メートル)を鞍がずれたままで圧勝した“ゴドルフィン”のシンデレラズドリーム(牝3、父シャマーダル)でした。

デビューから3連勝で本命馬として臨んだシンデレラズドリームでしたが、800メートルを通過したあたりで徐々に鞍がずれはじめ、最終コーナーではコントロールを失って外に振られる不利。とっさに鐙(あぶみ)から両足を外して上体の立った天神乗りになったW・ビュイック騎手が直線外に進路を誘導すると、馬の闘志に火がついて後続をぐんぐん引き離し、最後は2着との差を5馬身半に広げてファンの大歓声を浴びました。

シンデレラズドリームが目標とする5月5日(日曜)の英1000ギニー(G1、芝直線1600メートル、ニューマーケット)には欧州2歳女王のオペラシンガー(牝3、父ジャスティファイ)が本命馬として待ち受けていますが、この走りによってシンデレラズドリームは前売り4番人気に浮上しています。

この日はG1ドバイWC(ダート2000メートル)に連なるG2アルマクトゥームクラシック(ダート1900メートル)と、G1ドバイシーマクラシック(芝2410メートル)の前哨戦となるG2ドバイシティーオブゴールド(芝2410メートル)も行われました。

前者は向正面先頭から押し切ったミリタリーロー(せん9、父ドバウィ)が約3年2カ月ぶりの勝ち星を飾り、後者では3頭を送った“ゴドルフィン”のボールドアクト(せん4、父ニューアプローチ)が直線一気に差し切って快勝。昨年10月の米国遠征で勝利したG3シカモアS(芝2400メートル)に続く重賞連覇で、本番に弾みをつけています。

【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)