ディープインパクト産駒の2番人気プログノーシス(牡6、中内田)がレース史上3頭目の連覇を遂げ、重賞3勝目を手にした。勝ち時計は1分57秒6。直線で早めに抜け出し、1番人気の2着ドゥレッツァに5馬身差の圧勝を飾った。

次戦は、昨年2着だった香港遠征を視野。1年前のリベンジへ、また待望のG1制覇へ、期待がふくらむ勝利となった。

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大舞台の頂点がグッと近づいた。プログノーシスがつけた5馬身差。これでも本来の力ではなかった。「1週前に追い切りに乗って、聞いていた通りあまりいい状態ではありませんでした。返し馬でもきついなという状態でした」。レース後に、川田騎手は馬の状態をありのままに伝えた。

道中は後方の内ラチ沿い、ドゥレッツァの後ろで控えた。少しずつ位置を上げ、内に進路を取り、手応え良く直線へ向いた。「道中も苦しさを感じましたが、なんとか我慢してもらいながら。4コーナーから直線の入り口は雰囲気が良かったので、これなら大丈夫だなと」。その感触通り、先頭に立ってからは独壇場。他馬はなすすべがなかった。「本来の状態に戻れば、さらに上の舞台の頂点が見えてくる内容でした」と鞍上も納得の内容だった。

昨年の金鯱賞で重賞ウイナーになってから、強敵にもまれて強さに磨きがかかる。昨秋の天皇賞はイクイノックスの3着で持ち時計を大幅に短縮。12月の香港遠征では世界の実力馬を相手に5着と健闘した。中内田師は「昨年の秋は厳しい競馬でも頑張ってくれていました。今日は能力が高いことを再確認できた。大きいところを取らせてあげたい馬」。この勝利でその思いはより大きくなる。

今回の状態については師も「いつものいい時の動きではない。いい時はもっといい」と鞍上と同意見。裏を返せば、まだまだ能力を秘めている。今後は4月28日香港のクイーンエリザベス2世C(G1、芝2000メートル)に進む予定。昨年2着のリベンジへ、人馬は燃える。【下村琴葉】

◆プログノーシス ▽父 ディープインパクト▽母 ヴェルダ(オブザーヴァトリ)▽牡6▽馬主 (有)社台レースホース▽調教師 中内田充正(栗東)▽生産者 社台ファーム(北海道千歳市)▽戦績 13戦7勝(うち海外2戦0勝)▽総獲得賞金 4億4928万1400円(同1億1433万400円)▽主な勝ち鞍 23年金鯱賞、札幌記念(以上G2)▽馬名の由来 予知(ギリシャ語)