被災した石川県珠洲市で引退競走馬の牧場「珠洲ホースパーク」を営む角居勝彦元調教師(59)が15日、多額の寄付金に対する感謝を述べた。

前日14日のシルクホースクラブ主催「アーモンドアイのJRA顕彰馬祝賀トークショー」でオークションが行われ、売上金の合計537万2000円が「企業版ふるさと納税」を通じて同牧場へ全額寄付される。

「本当にありがとうございます。もともとシルクレーシングさんからは引退馬支援のお話を頂いていたんですが、地震で大きな被害があったことから『何か協力できれば』と、クラブを代表する馬のグッズをオークションに出して収益を寄付していただきました。金額もとてつもなく大きいですが、こうして競馬ファンの方々に認知していただいたことも大きいと思います」

牧場では人馬こそ無事だったが、牧柵や馬房の扉が壊れるなどの被害があり、現在も水道は復旧していないという。「復旧は4月の終わりぐらいになると聞いています。これからも馬に携わる関係者が手をつなぎ合わせて頑張っていけたら」と、復興への意気込みを新たにしていた。

アーモンドアイとは調教師時代の“旧敵”にあたる間柄だった。同世代の牝馬戦線ではサトノワルキューレ(18年オークス6着)やカンタービレ(同秋華賞3着)、古馬G1でもキセキやサートゥルナーリアなどの管理馬を挑戦させている。

今回のオークションは19年の天皇賞・秋優勝時に履いていた蹄(てい)鉄が250万円で落札されるなど大盛況に終わった。