長距離界の帝王へ! 2番人気のテーオーロイヤル(牡6、岡田)が5馬身差の圧勝でG1制覇へ王手をかけた。

菱田裕二騎手(31=岡田)に導かれ、好位から危なげなく突き抜けて重賞3勝目。大目標としてきた次戦の天皇賞・春(G1、芝3200メートル、4月28日=京都)で頂点に挑む。

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まさに帝王だ。前後左右のライバルたちが手綱をしごかれた2周目4コーナー。菱田騎手とテーオーロイヤルだけは馬なりだった。好位から残り300メートル付近で先頭に立つと、あとは独走だ。雨にぬかるんだ芝を蹴り上げ、断トツの上がりで持久力の違いを見せつけた。5馬身差V。文句なしの内容で前哨戦を終えた。

菱田騎手 あまり悪い馬場の経験がなくてどうかと思ったけど、まったく心配のいらない走りを見せてくれた。終始手応えが良くて、追ってからの反応もすごく良かった。この馬場と距離で、ゴールするまでまったくスピードが衰えることなく走ってくれた。

故障を乗り越え、2年前以上の実力を蓄えた。4歳で挑んだ22年の天皇賞・春ではタイトルホルダーに真っ向勝負を仕掛けて3着。同年秋には右後肢の骨折を患い、1年近い休養をしいられた。岡田師は「100%の復活プラスαがあった。トモがしっかりしたのがフォームに表れている。だから雨でも走れた」と、あらためて成長を実感した。

長距離王の盾は目前にある。調教では全長1800メートルのCウッドを2周する日もあるが、鞍上は「息が乱れることが一切ない」と証言する。ステイヤーズS→ダイヤモンドS→阪神大賞典→天皇賞・春。古馬ステイヤー重賞を皆勤する“王道”を歩んできた。指揮官は「しっかり結果を出したい。菱田も自信を持っていけると思う」と弟子の心境を察した。半兄にJpn13勝馬メイショウハリオがいるロイヤルファミリー。来月の淀でいよいよ戴冠式を挙行する。【太田尚樹】

 

◆テーオーロイヤル▽父 リオンディーズ▽母 メイショウオウヒ(マンハッタンカフェ)▽牡6▽馬主 小笹公也▽調教師 岡田稲男(栗東)▽生産者 三嶋牧場(北海道浦河町)▽戦績 17戦7勝▽総獲得賞金 2億9448万6000円▽主な勝ち鞍 22、24年ダイヤモンドS(G3)▽馬名の由来 冠名+王にふさわしい