ドバイ国際競走の注目人物連載「世界へ挑む 侍ホースマン」第2回は、昨年の3冠牝馬リバティアイランド(牝4、中内田)をドバイシーマC(G1、芝2410メートル)へ送り出す中内田充正調教師(45)。すでに名牝の域に入った愛馬の世界デビューへ、胸の内を聞いた。

   ◇   ◇   ◇   

リバティアイランドは昨年の牝馬3冠達成後、ジャパンCで古馬と初対戦。世界最強馬イクイノックスに真っ向勝負を挑み、4馬身差の2着に敗れた。中内田師は「自分の競馬をさせてもらったが、前に1頭、化け物がいた。それだけですね」と笑顔で振り返る。もちろん、最強馬に胸を借りた経験値は計り知れない。「いい経験になった、と次の競馬の後に言いたい」。あのジャパンCが、リバティをさらに強くさせる。

古馬となり、確かな成長がうかがえる。「成長を促す感じで間隔を取って、本当にいい感じで。3歳から4歳になったなという雰囲気はしています。走り方も少し力強さが出てきた印象を受けますね」。完成度については「常に競馬へいくと、トップパフォーマンスをしてくれる。どこまで本当に良くなってくれるのかなというのは、分からないですね」と成長曲線は青天井だ。

年明け初戦にドバイを選んだ理由は、普段から心がける“馬ファースト”に他ならない。「国内に限らず、競馬は世界中でやっているので。ここならリバティが一番、力を出してくれるんじゃないかと」。

加えて、芝2410メートルのシーマCを選んだのには、先々への大きな期待も込められている。

「ジャパンCで上手に走ってくれましたし、今後の視野を広げるために。(ターフの1800メートルより)2400メートルの方が、世界的に面白い競馬が組まれていますからね」

イクイノックスに代わる世界の頂へ。リバティアイランドの“第2章”が、ドバイの地から始まる。【奥田隼人】