無傷の3戦3勝で皐月賞を制したジャスティンミラノ(牡3、友道)は激戦から一夜明けた15日、栗東の馬房で元気な姿を見せた。

同日の午前1時半頃、栗東トレセンに到着した。担当の山田助手は「あれだけの時計(1分57秒1)で走っているし、(競馬当日は)暑かったこともあり、少し疲れていたけど、カイバも食べている。許容範囲ですよ。いつも通りの感じです」と無事を伝えた。

衝撃のパフォーマンスだった。スローペースだった新馬戦、共同通信杯と異なり、今回はハイペース。初の右回り、トリッキーな中山と過酷な条件だったが、見事に乗り越え、レースレコードでG1初制覇を決めた。

「前は速かったけど、無理について行っているわけではなさそうだったし、いい位置にいると思った。3、4コーナーで手応えが悪くなり、4コーナーではジャンタルマンタルに離されたように見えたので『厳しいかな』と思ったけど、残り100メートルを切ったあたりで声が出たね。良かったです」と同助手は安堵(あんど)の表情を浮かべた。

落馬事故で10日に死去した藤岡康太騎手(享年35)への強い思いもあった。同馬の1、2週前追い切りを担当したのが、藤岡康騎手だった。

「康太のこともあったし、なんとか勝ちたいと思っていた。馬がそれに応えてくれた。康太はうちのスタッフ同然で、調教を手伝ってくれていた。レースで乗れない馬でも嫌な顔ひとつせずに乗ってくれていた。競馬を見ても、戸崎騎手が言う『康太が背中を押してくれた』というのが分かる」。“チーム・ジャスティンミラノ”の思いが、最後のひと伸びを後押しした。

目指すは牡馬クラシック2冠目だ。今後はダービー(G1、芝2400メートル、5月26日=東京)を目指して調整される予定となる。山田助手は「次に向けて、しっかりとケアしていきたい」と力強く話していた。