<ダービー>◇26日=東京◇G1◇芝2400メートル◇3歳牡牝◇出走17頭◇1着賞金3億円

ダービー初挑戦だった安田翔伍調教師が、池江泰寿調教師の記録(42歳4カ月17日)を塗り替え、84年グレード制導入後では最年少の41歳10カ月19日でダービートレーナーとなった。幼少期は、父でダービージョッキーでもある隆行元調教師の姿に憧れ、騎手を目指したこともある。トレセン入り後は海外で技術を磨いた経験も生かし、父の厩舎でカレンチャンなどのG1馬を担当。18年の開業から7年、JRA・G1初制覇が栄えあるダービーとなった。

普段は馬上にいることが多く、なかなか取材の機会を見つけることが難しいほど自ら管理馬にまたがっている。機会を得ても、コメントが実に感性的でいつも理解に頭を使う。それでいてとにかくユーモアにあふれ、とても頭の回転が速い。「超」の付く虎党でもあり、キャンプ期間になればCS放送の中継で選手の動きをチェックする。シーズン中に入れば、時間を見つけては甲子園に足を運んで声援を送る。厩舎では、人知れずバットを振っているというスタッフの目撃情報もある。

師のSNSなどでは、管理馬を愛でる投稿がしばしば見受けられる。

「自分はなるべく馬と触れ合うようにしているんです。馬は言葉は話せませんが、表情や馬房内での立ち方ひとつで何かサインを出しているかもしれない。そういうのをキャッチできるかもしれませんからね」

全休日の月曜でも1人、車を走らせ厩舎に向かうこともある。それもまだ、当番のスタッフらが来る夜明け前の時間。「スタッフも毎日、毎日、調教師の顔を見たくないでしょう(笑い)」と、細やかな気遣いも忘れない。

今年3月で父の厩舎が定年で解散を迎え、有力馬なども多く引き継いだ。当然、プレッシャーもさらに多くのしかかっている中でのダービー制覇だった。さらに、ダノンデサイルは皐月賞をレースの直前で競走除外になったばかり。この中間も「まずはレースまで無事に」と、何度も繰り返していた。レース後、画面に映る師の笑顔は、どこかホッとした表情に見えた。【中央競馬担当・奥田隼人】