JRAから騎手として重大な非行行為があったと認められた永野猛蔵騎手(22=伊藤圭)、小林勝太騎手(21=小野)について、JRAの美浦トレセンで9日、赤井誠公正室長が報道陣向けに説明会を行った。
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永野、小林勝の騎手2人はどちらも2台所持するスマートフォンのうち1台を預け入れ、もう1台を隠し持って調整ルーム内で使用していた。隠蔽(いんぺい)工作を行った悪質性の高い事案だったことが明らかになった。昨年5月の騎手6人、今年5月の騎手1人に続いて起きたスマホにまつわるルール違反。たった1年半弱の期間に若手騎手9人が処罰を受けることになる。
9月23日に行われたJRAの定例会見では、若手騎手に個別のコンプライアンス研修を行っていたことが、JRAの担当理事から伝えられていた。その直後に起きた事案だけに、憤りは大きい。美浦トレセンの赤井公正室長は「研修が意味をなさなかったというところは、結果的にこういう事案を招いてしまいましたので、そこに関してはご指摘の通り。さらに何かをやらなければならないというのは、今後しっかりと考えていかないといけない」と頭を下げた。
騎手たちは開催日前日の21時までに調整ルームに入室することが義務付けられている。その後、節内最後のレースに乗り終えるまでは、公正確保の観点から、通信機器を使用した外部との接触が禁止されている。
ただし、例外的措置は取られている。希望者はタブレット端末を所持することが可能だ。節内移動時の交通手段の確保、レース映像の確認などのために、ネット閲覧やアプリのインストールが制限された端末を使用することはできる。現在は必要最低限の通信手段は確保されているのだ。
騎手を育成する競馬学校を有するJRAがコンプライアンス教育や再発防止を徹底をできなかった、という批判もあるだろう。調整ルームの制度が時代にそぐわない、という声もあるだろう。説明会の席では、調整ルーム周辺に妨害電波を飛ばして物理的に外部との接触を遮断しては、との声も上がった。
ただ、どの騎手も公正確保や調整ルームの制度を理解し、順守を誓った上でプロとしてデビューしたはずだ。一にも二にも、騎手個人がルールを守ることが大前提としてある。「これ以上、広がりがないか調査中です」(赤井公正室長)。現時点では裁定委員会がどのような判断を下すのかはわからないが、他の騎手、関係者、そして競馬全体の信用を下げてしまう行為が二度と出てこないことを願いたい。

