【ドバイ(UAE)=2日】香港最強馬が新たな敵に照準を合わせた。2年連続で現地入りした東京・桑原幹久記者の連載「ドバイ最前線」第3回はドバイターフに出走するロマンチックウォリアー(せん7、C・シャム)に迫った。初ダートの前走サウジCでフォーエバーヤングと激闘し2着。芝への復帰戦に向け、追い切りに駆けつけたJ・マクドナルド騎手(33)は好感触を示した。また管理するC・シャム師(64)はライバルに日本馬を挙げた。
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雰囲気が違う。メイダンの調教取材は1角横のエリアに各国の陣営、メディアが一堂に会す。水曜の朝、ふと見渡すとアジア人が大半を占めることに気付いた。聞けば今年は香港メディアが殺到。ある日本人記者は予約済みの宿泊先から「もう部屋がない」とドタキャンされたとか…。理由は当然ロマンチックウォリアーの参戦。香港最強馬に迫ると、陣営のトーンは想像以上に高かった。
「サウジの反動は全くないですね。彼はドバイが大好きなようです」
フォーエバーヤング陣営と入れ代わりで公式会見に出席した、主戦のJ・マクドナルド騎手は自信満々な様子だ。火曜は拠点のオーストラリアでG1騎乗の依頼もあったが、ドバイで愛馬の追い切りに携わった。記者もカメラを向けたが、香港の最強馬はソフトな芝を難なくこなし、馬体はむっきむき。主戦は「彼はとても幸せで、健康で、仕事を楽しんでいますね。今回はまたとないチャンス。とても楽しみです」と、落ち着いた表情で自信を深めていた。
1カ月半前の激闘は記憶に新しい。前走サウジCはフォーエバーヤングに差し返され2着。ただ、4角での押し上げは初ダートとは思えない走りだった。「適性がダートか芝か分からないほどのパフォーマンスだったね」。今回は走り慣れた芝に戻る。日本馬4頭を含む11頭の少数精鋭。「彼はタフなレースになればなるほど強くなる。いい走りを見せないといけないね」。冗舌ぶりに強固な信頼がにじんでいた。
午後は枠順抽選会の取材へ。華やかな会場で席を探すと、C・シャム師が近くに座っていた。隙間時間を急な取材にも笑顔で答えてくれた。「ライバル? もちろんリバティアイランドだよ」。昨年末の香港Cでは1馬身半差の快勝。勝負付けは済んだと思ったが、見立ては違った。「フォーエバーヤングも強かったけど、リバティアイランドは世界でも強い日本馬の中でトップクラスにいると思う」。締まった声色に、警戒度は最上級だと察した。
決戦まであと3日。各国の関係者が続々と姿を見せ、祭典は熱を帯び始めた。枠順が確定し、予想も深度を増す。「完全的中」の目標達成へ、明日はあの男に話を聞かねば。(つづく)

