JRA所属11年目のミルコ・デムーロ騎手(46=イタリア)が19日、7月中旬から米国で騎乗することを明かした。

デルマー競馬場など西海岸を主戦場とし、期間は3カ月の見通し。延長の可能性もあるという。JRA移籍後から“ミルコ番”を務めてきた太田尚樹記者が【記者メモ】で決断の裏側を解説する。

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「どう思う?」。特に近年は何度も意見を求められた。M・デムーロ騎手といえば「陽気なイタリアン」のイメージが強いかもしれない。だが、そのハートは繊細だ。JRA移籍3年目(17年)の171勝をピークに勝利数は減り続け、昨年は42勝。JRA・G1制覇からは3年以上も遠ざかっている。得意の関西弁も最近は「あかんわ」が口癖のようになり、眉をひそめて思い悩んでいた。

ただ“座して待つ”性格ではない。かつて母国を飛び出して英国、フランス、香港、そして日本へ活躍の場を求めた。JRAへ移ってからも、一時は関東を中心に騎乗した。原動力は燃えるような負けん気だ。米国への挑戦計画も数年前から聞いていた。

忘れられないのは、冗談で解説者やタレントへの転身が話題に挙がった時のことだ。すぐ真顔になり「僕は馬から離れられない」と首を振った。記者より1歳上の46歳。尽きぬ情熱には敬服する。カリフォルニアの青空の下で、陽気なスマイルを取り戻してほしい。【中央競馬担当=太田尚樹】