夏の福島開幕週に地元ジョッキーが戻ってくる。福島・二本松市出身の田辺裕信騎手(42)が4週間ぶりに復帰する。5月31日の騎乗後、左足かかとのプレート除去手術を受けるため戦列を離れていた。3歳馬の重賞、ラジオNIKKEI賞(G3、芝1800メートル、28日)では有力馬サノノグレーター(牡、尾形)の手綱を取る。追い切りにも騎乗して好感触。同レース2年ぶり3勝目を狙う。

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愛着がある福島での復帰即Vへ、田辺騎手が明るい口調で言った。「久しぶりに乗るので頑張りたいです」。昨年9月6日、中山6Rのパドックを周回中に落馬。その際に左足かかとを粉砕骨折し、プレートで患部を固定した。今月上旬に4日間入院して、それを除去する手術を受けた。「手術が終わってすぐに動いていたんで、体がこわばることもなかった」と馬上にいても違和感はない。

担当医の都合などでたまたま、地元開幕週で戦列復帰する。サノノグレーターとは2走前のスプリングS(5着)からコンビを組む。皐月賞9着後は放牧で立て直され、24日に坂路での追い切りに騎乗した。4ハロン56秒9-13秒8でサラッと駆け上がり「先週しっかりやっていると聞いていた。その反動も感じられないし、軽やかに走っていた。皐月賞は短いスパン(中4週)で使ったので、1度リフレッシュしたのはいいと思います」と感触がいい。

中団の後ろに位置して敗れた皐月賞を悲観していない。「時計も速かったし、前残り。最後は伸びていた」。今回の福島芝1800メートルには「使っている距離で右回りも問題ない」と同じ距離、同じ右回りのスプリングSの経験が生きると見立てた。

ラジオNIKKEI賞は過去2勝と相性がいい。「プレートを外して負担重量が軽くなった」とユーモアを交えながら「空白の3週間を取り戻したいです」と4週間ぶりの実戦が待ち遠しい様子。パートナーを重賞初Vに導き、地元ジョッキーが輝きを放つ。

【久野朗】

◆田辺騎手のラジオNIKKEI賞成績 19年ブレイキングドーン(3番人気)、24年オフトレイル(6番人気)の2勝。2頭とも差し脚を伸ばして勝ち、サノノグレーターの脚質と共通する。他の福島重賞も14年七夕賞(メイショウナルト)、23年福島記念(ホウオウエミーズ)、25年福島牝馬S(アドマイヤマツリ)で勝っており、地元4重賞を完全制覇している。