高千代酒造/南魚沼市
受賞トロフィーを手に微笑む高橋社長(中央)と阿部杜氏(左)営業部の中沢智さん

 三ツ星受賞。といってもミシュランガイドではない。国際味覚審査機構(ITQI)の国際優秀味覚賞三ツ星を、高千代酒造の「巻機 純米吟醸酒」が7年連続で獲得。10年で7回の三ツ星を獲得した商品のみに贈られるダイヤモンド賞を受賞した。この賞は世界的に味覚に優れた食品や飲料に与えられ、ヨーロッパの調理師協会やソムリエ協会などに属する一流シェフが審査員だ。「市販の酒を評価していただいたことがうれしいですね」と阿部茂夫杜氏は喜ぶ。

 「巻機 純米吟醸酒」の酒米はすべて「一本〆」。「五百万石」の欠点克服を目的に新潟県で開発され1993年(平5)に命名された酒米だが、倒れにくく作りやすい特性が米質低下を招き使用量が低下。現在は徹底管理のもとで高品質なものが少量生産されている。

 高千代酒造では一本〆の個性を最大限に引き出す酒造りに取り組んでいる。「味がのりやすく、米の旨みを感じる酒に仕上がるので純米酒向きですね。水を吸いやすいので大量機械化より少量手作業が向いています」と阿部杜氏。蔵の個性と酒米の個性がマッチした。

 06年からは地元で栽培を開始。阿部杜氏と蔵人の2人が種子管理から栽培まで手がけ、2人を含めた8軒の地元農家で生産。自分たちの酒米で造った酒は米農家の誇りだ。全量自社精米で、雑味が出にくい扁平(へんぺい)精米も導入。

 仕込み水の源は日本百名山の「巻機山(まきはたやま)」。柔らかくまろやかな仕込み水「円水」も4年連続で三ツ星を受賞している。毎年8月には社員全員で巻機山に登り「偉大な山の名と恵みをいただいていることに、汗を流して感謝を伝えています」と高橋マサエ社長。地酒「巻機」は来年30周年を迎える。【高橋真理子】

[2017年7月22日付 日刊スポーツ新潟版掲載]