ボーアの打球が再び上がり出したね。左右に打ち分けた2本塁打は、いずれも中日福谷の高めに浮いた不用意な球だった。好不調の波が激しい助っ人だが、打球が上がれば長打になるという証明だ。
ボーアが打ち出したのは、4番サンズの存在も大きいとみている。相手バッテリーが得点圏打率(4割5分9厘)の高いサンズへの警戒を強めることで、ボーアを打ちやすくしているといえるだろうね。
これでボーアのホームランは12本になった。不思議なのは甲子園で量産しているのに、どちらかというと1発の出やすい東京ドームと横浜で打っていないことだ。(12本塁打の内訳=甲子園6、神宮3、ナゴヤドーム2、マツダスタジアム1)。
そこは巨人、DeNAにうまく攻められているといえるだろう。5回には膝元の“死角”に投じられたスライダーに空振り三振を喫した。速い球にフォーク、チェンジアップで低めを攻められると、もろい面もみせる。
でも甲子園6本塁打のうち左方向に2本のスタンドインでしょ。右から左に吹く浜風を味方にすることができれば、さらにホームランは増えるよね。だから打球が上がりだしたのは大きいということだ。チームもカード3連勝で弾みをつけたい。(日刊スポーツ評論家)